ハナマの栄誉/キエフの未来への門 |
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ハナマの栄誉 「次の連載の企画を考えたんですよ。将棋マンガにしようと思っています。このマンガをヒットさせて、アルバイトとの二刀流から脱却して、専業マンガ家一刀流になりたいです」 「ショウギ? どこかで聞いたことあるな。何だっけそれ」 「日本の古くから伝わるチェスですよ。相手の駒を取ったら自分の軍勢として再利用できるという珍しいルールがあります。プロの将棋プレイヤーっていうのもいるらしいですよ」 「ああ、そうだった、思い出したよ。ショウギのプロの世界って、すごく厳しいらしいね。で、ショウギを題材にして、どんなマンガにするつもりなんだい?」 「主人公は、中学生の時点で将棋のプロとしてデビューして、周囲の強豪棋士たちをなぎ倒して快進撃します。そして十九歳の時に、将棋界八大タイトルの内の一つで最高峰の格式とされるドラゴンロードのタイトルを獲得します」 「それは、無謀なんじゃないかな。ショウギの世界は厳しいんだろう。中学生でプロデビューとか、ありえないだろう。二十歳前にタイトルを取るとか設定盛り過ぎだろう。しかもドラゴンロードなんて、聞くからにスゴイ格の高いタイトルじゃないか。絶対に読者から、リアリティがありません、ってツッコミを食らうぞ」 「いえ、設定って、盛り過ぎくらいでちょうどいいと思うんですよね。マンガなんて、現実からかけ離れてスゴイことができるからこそ、読んでいて楽しいんだと思うんですよ。世知辛い現実をそのままなぞっていたんじゃ、マンガ読まずに現実の中だけで生きて行くのと変わらないじゃないですか」 「そりゃそうだけど、編集者としての長い経験からいうと、リアリティの範囲内でスゴイことをやり遂げるマンガの方がウケがいいと思うよ。前回連載していた野球マンガだって、読者の支持を得られずに連載早期打ち切りになっちゃったじゃないか」 「あれは、読者が先入観に凝り固まって柔軟な考え方ができていないんですよ。日本の高校生が時速160キロの剛速球を投げて、甲子園で特大のホームランを打って、日本のプロ野球に入って、ピッチャーとバッターの二刀流の選手として成長してアメリカのメジャーリーグに来て、ピッチャーとしてもバッターとしてもトッププレイヤーとして活躍する、という内容の、どこが悪いっていうんですか」 「だから、読者アンケートで、主人公の二刀流なんてリアリティが無い、って散々言われたじゃないか。あの主人公、名前、なんだったっけ」 「ハナマキです。それくらい覚えていてくださいよ」 「そうだったハナマキだった。盛り過ぎた設定ばかりに注意が向いていて名前を忘れていたよ」 「現実だとそういうスゴイ選手は考えられないかもしれません。でも、マンガなんだから、ピッチャーもバッターも両方できるような選手が存在する方が夢があっていいじゃないですか。読者が自ら夢を見ることを否定してどうするんですかね」 「野球マンガは打ち切りで惨敗だ。終わった話だ。それより、そのショウギの話は、野球マンガよりも盛り過ぎだろう。野球マンガの主人公がメジャーで活躍したのは二十代の半ば以降だった。ショウギマンガの、十代の時点でドラゴンロードのタイトルを取るという設定は、明らかにリアリティを無視しすぎだ。せめて二十代の半ばくらいでタイトルを取る、というふうに変更した方が現実的じゃないのか」 「でもですよ。間違って100年に一人レベルの天才が出現してしまったら、本当に中学生でプロになって二十歳前にドラゴンロードになるかもしれないじゃないですか。もしも万が一そんなことが起きたら、マンガが現実に追いつき追い越されてしまうってことですよ。そんなことになったらマンガの名折れですよ」 「マンガが現実に追いつかれるかな? ましてや追い越されるなんてケースが考えられるのか?」 「ですから、万が一にも追い付かれたり追い越されたりしないように、徹底的に盛った設定にするべきだと思うんですよ。この将棋マンガの主人公は、ドラゴンロードのタイトルを獲得後に、オリンピックに出場するんです。主人公は幼い頃から将棋とフィギュアスケートをやっていたんです。で、フィギュアスケートで金メダルを獲得して日本の国民栄誉賞を受賞するんです」 「え、それはいくらなんでも荒唐無稽すぎだぞ」 「まあ普通はそう思いますよね。でも自分、大昔の日本の文献を苦労して読んで調べたんですよ。そしたら、ハナマという人物が、中学生で将棋のプロデビューして十代でドラゴンロードになって、オリンピックのフィギュアスケートで二大会連続金メダルを獲得して国民栄誉賞に輝いているんですよ」 「そんなチートな人間が実在するのか?」 「大昔に実在していました。すごいですよね、将棋とフィギュアスケートの二刀流。いやあ、漢字で書かれた文献を読み解くのは苦労しましたよ」 「そうか、実在するなら、そういう設定もアリかもしれないな。よし、連載、行ってみよう」 ◇◇◇◇ 「ホント、読者はクソですね。何が、リアリティがありません、ですか。せめて主人公が中学生デビューするまで連載続けさせてほしかったです」 「やっぱりマンガは、リアルに存在したかどうかじゃなくて、リアリティが大事なんだな。リアルとリアリティは違う。長年編集をやっているけど、改めて学んだわ」 「今までお世話になりました。もうマンガでは食っていけないので、蟹工船に乗ります」 「そうか。二刀流は卒業して一刀流になるのか。それって、ある意味念願叶ったじゃないか。いかにも二刀流っぽい蟹と格闘しているのが、キミには似合っているかもな」 終 キエフの未来への門 【起】 ウラジーミルの屋敷に、血痕の付着した手斧を持った美少年が入り込んだ。屋敷の塀の外では、ノヴゴロドの民が集まって「殺人犯に死の裁きを」と口々に叫んでいる。 「何事だ? ここがキエフ大公の三男にして女傑オリガの孫であるノヴゴロド公の屋敷と知ってのことか」 帽子を被って庭に出てきたウラジーミルは、手斧の美少年を睥睨した。 「お前が殺人犯か? まだ子どもじゃないか」 「俺は十二歳だ。峡湾の民では立派な戦士の年齢だ。そっちだって俺と大した違わないだろう」 ウラジーミルは濃い眉をひそめて、青い目を三角形にいからせた。 「私は二十歳だ。もうかれこれ五年、ノヴゴロド公としてこの地を統治している」 「それが何だ。俺は将来海賊王になる男、オーラヴだ。ノルウェーの正統なるハラルド美髪王の血を引く王子だ。覚えておけ」 「覚えておく必要があるか。お前、人を殺したのであろう。ならば法に基づいて処刑だ」 その時、庭に生えている林檎の木々の間から、銀髪の威風堂々たる長身の男が息を切らせて駆けてきた。 「シグルズではないか。徴税の旅に出発したのではなかったか」 「出発は二日後です。それよりも公、こちらのオーラヴは、実は私の家で保護している養子なのです」 オーラヴとシグルズが公に経緯を説明した。 オーラヴはノルウェー王の息子として生まれたが、生まれる少し前に父親は殺害された。新生児オーラヴは母に抱かれ逃亡生活を送る身となった。 オーラヴが三歳の時、エストニアで海賊に襲われた。養父が殺害されて、母とは引き離された。幼いオーラヴは上等な外套と交換で奴隷として農夫に売られた。 それから六年が経った時、エストニアに徴税に来ていたシグルズがオーラヴの美少年ぶりに目を留めた。話を聞くと、自分はノルウェーの王子であるという。オーラヴの言い分を認めたシグルズは、農夫からオーラヴを買い取り、ノヴゴロドへ連れ帰った。 更に三年程経った今日、オーラヴはノヴゴロドの広場で道行く人を眺めていると、人混みの中に仇を発見した。養父を殺し、母を連れ去り、自分を奴隷として売った憎き男だ。オーラヴは持っていた手斧で相手の脳天をかち割った。 ノヴゴロドの神聖な保護法によれば、追放刑に処せられた者以外を殺害すれば、それは犯罪であり、誰であってもその殺人犯を殺して良いことになっている。 よって今、オーラヴは殺人犯として追われ、公の館に逃げ込んで来たのだ。 【承】 「美少年を死なせてはなりませぬ」 涼やかな声が響いた。 屋敷の奥から、ウラジーミル公の妃、アローギアが現れた。と同時に、駆け付けた完全武装の兵士たちが塀の内側で配置について、塀の外で騒ぐ民衆を牽制した。妃の抱えている私兵だ。 「アローギアよ、美少年のこととなると、相変わらず耳が早いな」 「公と妃は、ほぼ同数の臣下を抱えるのが通例。その美少年は、妾の居所に住ませます。公よ、民衆との仲裁をお願いします」 結局、オーラヴの仇の身内に対しては和解金を、騒ぎで損害を被った広場や近辺の者に対しては賠償金を支払うこととなった。金額は公が決定し、妃が支払った。 「オーラヴ少年よ、この地には『林檎は、林檎の木から遠くには落ちない』という諺がある。事件や問題が起きたら近くに原因がある、という意味だ。お前が原因で起きた騒ぎを、私と妃で解決して貸しを作った。その分はきっちり返せ。お前は私の剣となり、兵を率いて戦うのだ」 「ああ、海賊王になる時までは、剣でいてやるさ」 オーラヴはウラジーミル公から与えられる資金とアローギア妃から与えられる寵愛を最大限に活用した。ヴァイキングの兵士を雇い、得た資金は惜しげなく部下にふるまい、自分の指揮通りに動くように訓練した。 若いながらもオーラヴは、戦の指揮官としても優れた素質を持っていた。小さな実戦経験を幾つか重ねて自信を深めたところで、不測の事態が発生した。 ウラジミールの父親であるキエフ大公が遊牧民の奇襲に遭って殺害されたのだ。 キエフ大公国では、大公が息子たちを地方の公として任命し、大公が亡くなると長男ではなく次の弟が地位を継ぐという兄弟相続が原則だった。しかし同時に父子相続も行われており、その中途半端さが理由で相続ごとに問題が発生していた。 父の急逝により、キエフ統治者の長兄と、ドレヴリャーネを支配している次兄の間で継承争いが始まっていた。 翌年、兄弟対決に決着がつき、長兄が次兄を殺した。次は三男であるノヴゴロド公ウラジーミルが標的だ。 身の危険を感じたウラジーミルは、オーラヴを含む側近を連れてスカンディナヴィアへ向かった。 ウラジーミルは逃げたのではない。ヴァイキングの援軍を募ってすぐに戻って来た。 【転】 峡湾の民の助勢を得たウラジーミルは、キエフを包囲した。街の周囲は、盗賊から防御するための木製の簡素な塀で囲われていた。戦いは激しかったが、二本の牛の角を付けた目出し兜を被ったオーラヴの獅子奮迅の活躍で長兄を生け捕りにした。 キエフの街に出入りする正門の前で、長兄は地面に座り込んだ。オーラヴはその首に剣の切っ先を突き付けた。、 「殺さないでくれ。弟を呼べ。兄弟だから話せば分かるはずだ」 「兄上、私ならここに居ます。まずは何故長男と次男で殺し合ったのかの申し開きでしょう」 長兄が、三男の声が聞こえた方に振り返った時。オーラヴは陽光に煌めく刃を一閃させて、長兄の首を落とした。 「話をする前にどうして殺した?」 「公よ、この男は懐に短剣を隠し持っていました。公が接近したら刺すつもりだったんですよ。ほら、この通り。これは多分ダマスカス鋼ですね。さすがいい物を持っていますね」 実際に懐から取り出した短剣を見せられると、ウラジーミルは叱責の言葉を飲み込んだ。 「私のことは今後は公ではなくキエフ大公と呼ふように」 「分かりました。キエフ大公就任おめでとうございます」 「オーラヴ、お前は今回の戦いでも活躍は顕著だった。褒美としてダマスカス鋼の短剣は戦利品として所持を認めよう。今後も奮励努力せよ」 「ありがたき幸せです、キエフ大公。ところでお妃様は、ノヴゴロドから呼び寄せないのですか?」 新しいキエフ大公は不快な表情を隠しもしなかった。 アローギア妃がノヴゴロドからキエフに移ってから、ウラジーミルのキエフ大公就任式典が盛大に執り行われた。 式典が終わって余韻が漂う中で、ウラジーミルに歩み寄って耳打ちする側近が一人いた。 「オーラヴは危険ですぞ。お妃様と親密過ぎるのも問題ですし、武勲を立て過ぎているので、良からぬ考えを起こすかもしれません」 麦を醗酵させて作る発泡酒のクヴァスを飲みながら、微酔いでウラジーミルは頭の帽子を取った。父も同じ髪型であったが、ルーシの氏族の高貴な身分である証として、片側の一塊を除いて頭髪は剃ってある。 「心配するな。林檎は、林檎の木の近くに落ちるものだ」 【結】 キエフ大公の覇道が始まった。 身内の敵はもう存在しないので、外敵を掃討する戦いに集中できる。ウラジーミルはキエフとノヴゴロドを中心として、意欲的に版図を拡げた。オーラヴの部隊は特に精強さを誇った。 ある時、オーラヴが遠征から仲間と共にキエフに帰還したところ、門の前でウラジーミルが待っていた。側に三人の勇士が護衛として控えている。 「オーラヴ、お前を追放する」 「急な話ですな。理由は?」 「妃と親密過ぎるからだ。反論は聞かぬ。バルト海でもどこでも行くがいい。お前の子飼いの仲間は連れて行っていいし、今回の遠征で得た戦利品も餞別代わりにくれてやる」 「俺もそろそろ潮時だと思っていた。お互いにもう利用し尽くしたから丁度いい。世話になりました」 キエフの門の前で、ウラジーミルとオーラヴはそれぞれの未来へ向かって別々の道を歩み始めた。 立ち去るオーラヴに、仲間も追随した。 「太陽公、オーラヴを始末しなくて良かったのですか」 尋ねたのは第一の勇士イリヤーであった。 「オーラヴの大公位簒奪を懸念しておったな。だがオーラヴはノルウェー王の子孫だ。『林檎は、林檎の木から遠くには落ちない』という諺がある。本来の意味とは異なるが、ノルウェーで実った林檎は峡湾の地に落ちて、そこから新たな苗木として育とうとするのだ」 第二の勇士ドブルイニヤと第三の勇士アリョーシャが、大公の言葉に首肯した。 「それに私はあの荒々しい若者を気に入っていたのだ。オーラヴ推しだったのは妃だけではなく私もなのだ。オーラヴがいずれノルウェーの海賊王となり歴史の転換点となるところを、遠く離れた黒土の沃野からではあるが、見届けたい」 ††† その後、オーラヴ・トリュグヴァソンはノルウェー王オーラヴ1世となった。王位に登る途上でキリスト教に改宗し、即位後には強硬な手段で布教を推し進めたため、ノルウェーとアイスランドのキリスト教化を大きく促進させる歴史的役割を果たした。 熱く烈しい生き様を貫き、西暦1000年のスヴォルドの海戦で華々しく散った。 一方ウラジーミルは、既に支配地域も広く、手駒にしている軍勢も大きくなっていたので、オーラヴの部隊が抜けても影響は無かった。三人の勇士の活躍もあり、更に支配地域を拡大し、北はバルト海、東はアゾフ海、南は黒海、西はカルパチア山脈にまで及ぶ大国に育て上げた。 ウラジーミルもまたキリスト教に改宗し、ギリシア正教を推進した。 キエフ大公国は、政治的文化的宗教的にも後世に大きな影響を残し、ロシア、ベラルーシ、ウクライナの礎となった。 ウラジーミルはキエフの門の前で、長兄を撃破して大公に即位し、オーラヴと決別した。いつもここから、未来への新たな第一歩を踏み出して行った。 ウラジーミル1世の時代から1000年以上経った今も、キエフの門からの道は、未来へと続いている。 終 |
kanegon 2022年03月15日(火)20時08分 公開 ■この作品の著作権はkanegonさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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2022年09月03日(土)11時52分 | kanegon | 作者レス | ||||
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でんでんむしさんミチル企画からわざわざこちらまで感想ありがとうございます。 『とっつきにくい読みにくい疲れる』 最初に難しい単語が並んでいてそのせいでスタートダッシュにはやや遅れていたかもしれません。 キャラの数が枚数にしては多すぎて難しい地名と合わさって物語の把握をするだけでかなりの体力を使う印象 だいたいそういう感想がまず最初に出て来るだろうなという感じです。 ハナマの栄誉のようなコメディ作品ならばともかく、歴史物を書く時には、ある程度意図的に硬めの文章で、冒頭からも難しい地名などのワードも入れています。ゴールデンウィークのミチル企画の時の作品でもそういった手法を使っています(今は作品は跡地化済みですが感想とレスだけが残っています)。 それは、プロット論などでよく言われる「想定読者をきちんと定める」という部分で想定外の読者を弾くためのものでもあります。 キャラ名や地名が難しいというのは、いつもいつも悩みどころです。キャラ名については略称にしたり、渾名を設定したりといったあれこれ悪あがきもあるのですが、地名はあまり良い対処法が無かったりします。特に、昔の地名と現在の地名が違う場合などはもっとハードルが上がります。 キャラの人数に関しては、シグルズは今作品にはどうしても名前を出す必要性があるというのでもなかったですが、かといって出さないと散漫とした感じになってしまうためやむを得ず出した感じです。 私自身も含めてですが、ウクライナの歴史について知識を持っている日本人はほとんといないのが実情ですが、だからこそ、ウクライナを題材として書くことに意義があると思っています。 感想ありがとうございました。 |
2022年09月01日(木)23時12分 | kanegon | 作者レス | ||||
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日暮れさん感想ありがとうございます。 舞台がキエフであることを薄めて書いておいて、最後の最後で(または後書きで)過去のキエフが舞台であったことを明かすくらいで良いと思います。 貴重なご意見ありがとうございます。 基本的に読者は「興味が無い」という部分につきると思います。大抵の人はウクライナに興味は無いし、ウクライナの歴史にも興味が無い、というのが実感です。なので、最初からウクライナというのを前面に出した作品だと、読者としては興味を持って引き込まれないというのは、おっしゃる通りだと思います。 実際、冬のミチル企画の時にそういう手法を使ったことがあります。異世界ファンタジー的に物語を進めて、ラストのところで実は現実の史実と繋がりがありました、というネタバラシをする形で。 確かに不思議なもので、ウクライナのような興味の無い地域の歴史物語は引き込まれなくても、ストーリー内容がほぼ同じでも架空世界の異世界ファンタジーなら読める、というのは現代人の読者ならありうることだと思います。 ただ、その一方で、その手法だとウクライナを描くというテーマがブレてしまうのが一つと。 もう一つ、必ずしも異世界ファンタジーを好む読者が対象読者であるとは限らない部分があるため、冒頭部分である程度のハードルを意図的に設けて読者を絞る手法は使っています。ただまあ、カクヨムの4000字制限作品でそこまで読者を絞る必要は無いぞなという感じではあります。 感想ありがとうございました。 |
2022年08月19日(金)09時37分 | 日暮れ | +10点 | ||||
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お久しぶりです。拝読しました。 感想返しが遅くなってしまい申し訳ございません。 ・ハナマの栄誉 冒頭の将棋についての会話に違和感があって、ラスト付近「ああ、そういうことか!」と分かりました。良い意味で、なるほど、と(笑)。 読んでいて、大谷翔平選手や藤井聡太棋士を思い浮かべました。彼らはフィクションの世界から抜け出してきたような凄さがあります。 実際に似たような偉人がいるのだから、そういった人に似ている架空の主人公の漫画があっても行けそうな気もしますが、如何せん、過去の偉人が凄すぎたばっかりに、読者からリアリティのない存在として受け取られてしまった……。なんだか皮肉っぽいものも少し感じます。 お話としては良かったと思います。 小説として読んだときに色味がなくて、二人の会話だけがどこからともなく聞こえてくる真っ白い世界に閉じ込められているような、そんな物足りなさを感じました。 会話劇でも会話の中で、どんな所にいるのか、相手の人相はどんなか、会話以外にどんな動きがあるのか、こういった部分にさりげなく触れられるだけで没入感が違ってくるのではと思います。 文字制限があるとのことなので、入れるのが難しいとは思いますが。 ・キエフの未来への門 こちらの作品は歴史モノなのですね!もっと書き込みたいことがお有りだったのではないか、そう思います。 既にご指摘あるようですが、書き急ぎな気がします。歴史を書きつつ人一人の一生、ないしは、半生を読者に伝えるのは、かなりの文字数が要りそうです。その上でドラマ仕立てにしたり、状況や経緯が分かるよう描写や説明を書き加えて……となると大変そうです。 私が似たことをやるといつも「状況が複雑でなんだか良く分からない話」になるので(汗)、話が追えるように書かれている御作は凄いと思います。 そんな私からの提案になりますので、冗談半分で聞いていただければと思います。 キエフの歴史を伝えたい・知る切っ掛けになりたい、という思いは伝わりました。 私は、舞台がキエフであることを薄めて書いておいて、最後の最後で(または後書きで)過去のキエフが舞台であったことを明かすくらいで良いと思います。(要は、まず小説として読者を全力で楽しませる。その上でキエフについて興味が湧いてくれたら嬉しいな、くらいの気持ちを込める。個人的に御作の文字数的にこのラインが、作者の歴史を伝えたい想いと、読者の楽しみたい想いの、良い感じの距離感ではないかと思う)。 これで文字数もだいぶ省略できるはず。なにより、物語に必要なことだけに注力して書けるかと思います。御作は、『歴史を語る上で書かなければいけないから書いている』と思える文章が幾つかあって、それらは余計に感じます。 (たんに私が歴史モノを読まない人だから、そう思ってしまうだけかもですが(汗)) 調子に乗って色々提案してしまいましたが、あくまで私の考えなので、合わないこと往々にしてあるかと思います。その際は適当に流してポイッ、して頂ければと思います。 長々と失礼致しました。
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2022年08月16日(火)22時31分 | kanegon | 作者レス | ||||
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くをんさん感想ありがとうございます。 読者に新鮮な気分を与える感動・恐怖・笑い・驚き――etcが無い。 最初に自分なりのテーマ(お題とはまた別の云わば『ジャンル』)を決めておくと良いかも。コメディ・ミステリー・恋愛・ホラー等世の中にはたくさんのネタがありますよね。 この作品のジャンルは、歴史、です。 ただ、感想でいただいた通り、コメディ・ミステリー・恋愛・ホラー等と比べるとどうしても弱いというか、単に歴史だけだと弱いのかな、というのが、感想をいただいて改めて思いました。 歴史だけはなく、その歴史を描く中で、サブジャンルとでもいうべきものを設定して描いた方がもっと読者の面白さにつながるのだろうか。というあたりを思いましたので、そういった方向性で試行錯誤してみたいです。 作品を見つめなおすきっかけになりました。 感想ありがとうございました。 |
2022年06月14日(火)00時37分 | くをん KLvZtCO0s6 | 0点 | ||||
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kanegon様こんにちは。以前感想を頂いたくをんです。 こちらハナマの栄誉/キエフの未来への門――拝読しました。 以下、感想をば。 まずハナマの栄誉について。 カクヨムの4000字制限の中、お題指定もされている(?)ので予想以上に描写するのが大変だったと思います。 そんな中、台詞だけでの展開。 最初は疑問に思いましたが慣れてくると不思議なもので専業一刀流を目指す漫画家とその編集者の掛け合いはテンポも良く好感が持てます。親近感が湧くと言い換えても良いかも。 コロコロと転がる様に展開するこの2人の会話はありそうでない……いや、なさそうであるのかな? と想像力をかき立てられました。 思わず笑ってしまう場面もあり、読んでて飽きませんでした。 唯、楽しいのは良いのですが小説としての完成度は物足りない。単純に漫画家と編集者のタッグの会話として終わってしまっているのが何とも残念。 まあ、そこがミソと言えばここでとんずらしますが、会話の中に伏線(オチ)に繋がりそうなkanegon様の巧みさが見え隠れしていたのでもったいない気がします。 それだけ設定を煮詰めていると捉えて構いません。 kanegon様は設定&構成の表現がとても上手いので、後はこの揃った具材から(読者に対して)何を生み出すのかを考えると良いかもしれません。 蟹工船は面白かったですけどね(笑)。 キエフの未来への門について。 【起承転結】がシッカリと編み込まれていて、『作者からのメッセージ』にて参考文献が書かれている所などでとても苦労して執筆したんだな〜とまず思いました。 ちょっと自分の話になってすみませんが、自分は勢いだけで書く悪癖があるのでkanegon様の物語を読んで色々と学ぶ所が多かったです。 内容は『ハナマの栄誉』とは全く別物と覚悟していましたが、『ハナマの栄誉』のコメディタッチな展開とは真逆のダークファンタジー(?)はこの人何でも書けるんだなと感心しました。 ウクライナの歴史を辿るかの様な王位継承のストーリーは主役のオーラヴとウラジーミルの駆け引きが面白く、とても4000字に纏めたとは思えない位重厚でした。 何だか読後感が特に素晴らしく、アローギア、シグルズ、他の脇役も立っていて他キャラのサイドストーリーやスピンオフも読んでみたい余韻に浸れました。 ゲームで例えるとファイ●ルファンタジータクティクスみたいな印象です。 残念な所はやはりこの具材から最終的に読者に何を伝えたいのか? です。 せっかくこれだけの設定力・構成力が揃った中で、(余韻には浸れるのですが)読者に新鮮な気分を与える感動・恐怖・笑い・驚き――etcが無い。 よく人生を変えた自分の転機となった本はコレ――とかテレビ等で見ますよね。kanegon様がんな大層なもん目指してないと言うならばここは読み飛ばして貰って構いません。 大事なのはこの部分が欠けている点です。読者へ何かが伝わるモノが欲しい。簡単に言えば『面白さ』と『個性』です。 最初に自分なりのテーマ(お題とはまた別の云わば『ジャンル』)を決めておくと良いかも。コメディ・ミステリー・恋愛・ホラー等世の中にはたくさんのネタがありますよね。 そこに自分のモチベーションやメッセージ性があるともっと良い。 設定・構成は問題ないのでここに新鮮な素材(『面白さ』&『個性』)があるだけで作家として大化けする可能性があると思いますよ! 何せ『面白さ』と『個性』は人それぞれなので、漫画みたいにサクサク楽しめる。感受性が突き動かされるんですね。 上から目線で色々言ってしまい申し訳ないです。嫌な気分になってたらゴメンナサイ。私の感想は以上です。 他の方と意見が食い違ってるかもしれませんが、自分が思ったのはこんな所です。 今後の可能性を考慮して敢えて私は+0点を選びました。 少し厳しい評価かもしれませんがこれを取捨選択するのはkanegon様自身なので、もちろんご自由にどうぞ。 参考になればこれ程嬉しい事はありません。 それではまたどこかで!
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2022年04月24日(日)17時16分 | kanegon | 作者レス | ||||
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BBさん感想ありがとうございます。 オチの蟹工船 最初はマグロ漁船にしようと思っていたのですが、単に思い付きで蟹工船にしたものです。特に深い意味はありません。 現文明が滅んだ後の新世界の話、もしくは欧州が舞台の話 設定としては、遠い未来のアメリカが舞台です。なぜアメリカと言えるかというと、セリフの中で、メジャーリーグに【来て】というのがあるからです。現文明が滅んだという設定は考えていません。 といっても、そのへんの設定はどうでもよいことなので、現文明が滅んだあとでもいいですし、ヨーロッパが舞台でも問題なく成立します。 この作品はあくまでも、リアリティにこだわった結果、現実に追い越されていることを大真面目に議論している滑稽さを描くことが主眼だからです。周辺の設定は枝葉末節です。掌編の間の感想だと、枝葉末節ばかりを見過ぎていて木を見て森を見ずどころか木も見えていないし、なんなら枝葉末節も正しく見えていない、になりがちだと私は感じています。 野球のくだりになると、甲子園やプロ野球、メジャーリーグなど、具体的な名称 それは当たり前だと思います。将棋マンガについては打ち合わせ段階ですが、ハナマキの野球マンガは既に連載しました(打ち切りになったけど)。だから漫画家も編集者も野球については詳しく知っていて当然のはずです。 ダイジェスト感 別のところで言ったのですが、4000字で作品を書こうと思ったらダイジェストにするかワンシーンにするかの選択になると思います。ワンシーンに近い感じの歴史物も書いたことはありますが、本作品の場合、タイムリーなネタということでウクライナの歴史の流れを出す必要があり、ワンシーンよりはダイジェストを選びました。 また、ダイジェストで物足りない、という感想になるのは理解できるのですが、じゃあ字数を費やしてガッツリした内容のものを書いたらいいかというと、そうなると明らかに誰も読まなくなります。 読まれる、という観点からいうと、KACのようなイベントの時に4000字くらいでダイジェスト作品を書くというのが、歴史ジャンルの裾野を広げるという意味ではある意味ベストだったりもします。 「推し活」がお題 お題というのは、そのお題を深めるのが目的ではなく、そのお題からどう独創的で面白い作品を生み出せるかがキモだと思っています。深めるのが悪いわけではありませんが、要はどちらの方向性を目指すか、です。KACでは一つのお題に対して600くらい作品が出て来るので、お題にこだわり過ぎると他の人と題材がかぶる可能性が高くなりますし、お題を深めるのが目的のイベントでもないので、お題は入ってさえいればいいと思います。 感想ありがとうございました。 |
2022年04月17日(日)10時28分 | 金木犀 gGaqjBJ1LM | +10点 | ||||
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再訪失礼します。 ・ただ、重厚さというのは、「なろう系テンプレではなく、重厚な本格ファンタジーを読みたい」という意見と似たようなものかなあとも思ったりもします。 いざ重厚な本格ファンタジーを書いたとしても、今度は読み疲れると言われて誰からも読まれもせず、というオチになるのが目に見えているのと同じようなものかなと。 →言い得て妙だと思います。 結局は「面白ければいい」のだと思います。 自分の読解が不足していて面白いと感じれなかっただけなのかもしれません。なので、そこは常に考えるべきかと思います。 いつだって、私の感覚を基準にして評価する以上、偏りがあるのは間違いないと思います。 とはいえ、そうはならないよう、私も努力して、できる限り足掻いて、偏見なく作品に接していきたいと常日頃考えていますから、そこらへんは必要ならば随時論戦していく構えではありますけどね。 で、結局のところ、重厚さがちゃんと面白さにつながっていれば、読み疲れるという評価にはなりづらいのではないかと思います。逆もしかりですね。軽くても面白かったら「描写不足である」という指摘をしたいとは思わないかもしれません。とはいえ、ある人は読解が不足しているがゆえに、読み疲れると考えてしまうのかもしれませんし、または単純に時が悪く、たまたまその時の気分には合わなかっただけ、という場合もあるかもしれません。 ケースバイケースですね。面白いものを書く、ただそれだけのことなのですが、やはり評価というのも単純にはいかないのが現実なんだと思います。 返信ありがとうございました。
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2022年04月14日(木)03時20分 | BB | +10点 | ||||
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拝読しました。 まずは「ハナマの栄誉」から。 事実は小説よりも奇なり、ですね。面白かったです。 オチの蟹工船なんですが、これはカニのハサミが二刀流と掛かっているだけなのか、それとも更に深い意味があるのか、どちらなんでしょうか。 恥ずかしながら、蟹工船は未読なので、判断できなかったです。 冒頭、編集者が将棋を知らないこと、竜王戦をドラゴンロードと表現していることから、現文明が滅んだ後の新世界の話、もしくは欧州が舞台の話、だと思ってました。 ところが、野球のくだりになると、甲子園やプロ野球、メジャーリーグなど、具体的な名称が出てきて、混乱しました。 最後で前者、現文明が滅んだ後の世界だとわかるのですが、冒頭で匂わせて欲しかったです。例えば 「次の連載の企画を考えたんですよ。古代文明がテーマです。将棋というのは知ってますか?」 という入りはどうでしょうか。 私は特に説明的だとは感じませんでした。が、私も説明的だと批評されることが多いので、同類かもしれませんね。 説明をどうすれば面白く表現できるのか。 難しい課題ですね。 キエフの未来への門 なんともタイムリーなお話ですね。 私は世界史の知識があまり無いのですが、どうしてロシアがウクライナに固執するのか、たいへん勉強になりました。 他の方も仰ってますが、ダイジェスト感が否めなかったです。 流石に4000字で、このボリュームのお話は無謀ではないでしょうか。 ウラジミールがキエフを離れてから奪還する辺りに絞ってはどうでしょうか。 妃がオーラヴの命を救ったエピソードなどは、過去話として盛り込んでやればいいでしょう。 あと「推し活」がお題ということなので、妃の出番を増やした方が、テーマが明確になると感じました。 キエフを奪還するために、出兵するオーラヴにエールを送る妃とか。 それに不快感を表すウラジミールとか。 中盤以降、歴史の出来事を追いかけることが中心になっていて、心理的葛藤がちょっとおろそかになっているように感じました。
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2022年04月07日(木)21時45分 | kanegon | 作者レス | ||||
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ノトリアさん感想ありがとうございます。 将棋や野球についての説明 この作品は、フィクションよりも現実の方が大きく上回っていることを読者は知っているけど、作中人物は知らずに大真面目に論じている、という滑稽さを描いたものなので、どうしてもある程度は説明が必要となります。ただ、繰り返しは多かったかなと反省しております。 後半については、やはり描写不足 もちろん自分でも認識しております。ただ、字数制限なしでしっかり描写して描くとしたら、どういった部分を描いたら良いだろうかと考えまして、当然自分でもある程度は目処はつけているのですが、どうせなら他者の意見も聞いてみたいと思い、投稿しました。 改めまして、感想いただき、ありがとうございました。 |
2022年04月03日(日)14時44分 | ノトリア | +10点 | ||||
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拝読しました。 「ハナマの栄誉」について。会話のみで構成されているにもかかわらず、序盤から読者が状況把握できるよう配慮されているのはとても良いと思います。話の展開に不自然なところもなく、オチもきちんとついていました。どこかこち亀のような雰囲気も感じられます。 一方で、説明が少し重いと感じました。私はどちらかというとライトノベルを読むことが多いので、読みやすさやテンポの良さを重視しています。そんな読者にとって、この作品は将棋や野球についての説明がかなりのウェイトを占めており、ストーリーのテンポが悪いように感じてしまいますし、つい読み飛ばしたくなります。ですから、4000字制限ならば説明を削って面白いやり取りを加えた方が作品の魅力も伝わりやすくなるかと。 それから、セリフの書き方についてですが、同じ語尾が連続している箇所がありますね(例:ショウギの世界は厳しいんだろう。中学生でプロデビューとか、ありえないだろう。二十歳前にタイトルを取るとか設定盛り過ぎだろう)。語尾の連続は読者に単調な印象を与えてしまうことになるので、明確な意図が無い限り控えましょう。 後半については、やはり描写不足ですね。会話も高速で進んでいますし。しかしこれほどのストーリーを4000字に収めて書くのはさぞ大変だったかと思います。そういう意味では、多少粗があるにしても物語を圧縮してストーリーを成立させているのはすごいと思います。
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2022年03月17日(木)21時51分 | kanegon | 作者レス | ||||
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金木犀さん感想ありがとうございます。この投稿は金木犀さんから感想をいただくことを一つの大目標としていたので、目標の大部分は達成できたとも言えます。 三人称の、他の国の時代を歴史を厚かった作品ということで、重厚さが大事なってくると思いますし、そういう意味では私は読みごたえとしては薄いと思ってしまいました。もっと、こう、肉付けをしてほしかったんですよね。 →そういう指摘が来るであろうことは当然予測していました。 一番の理由は字数制限でして、4000字制限のところをカクヨムの文字数で3949文字の作品なので、どうしてもダイジェスト的になってしまいました。 ただ、重厚さというのは、「なろう系テンプレではなく、重厚な本格ファンタジーを読みたい」という意見と似たようなものかなあとも思ったりもします。 いざ重厚な本格ファンタジーを書いたとしても、今度は読み疲れると言われて誰からも読まれもせず、というオチになるのが目に見えているのと同じようなものかなと。 実際にミチル企画で書いた作品では、主人公とメインヒロインの初顔合わせのシーンですら、全カットしてすっきりさせた方がいい、と言われたくらいですので。 『林檎は、林檎の木から遠くには落ちない』 →話せばぐだぐだしく長くなるので端的に申せば、あくまでも創作です。 改めて、感想いただき、ありがとうございました。 |
2022年03月16日(水)08時35分 | 金木犀 gGaqjBJ1LM | +10点 | ||||
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こんちゃキンモクセイともうします。前、「カネキセイさんですか?」という質問をもらいましたが、私は何の変哲もないキンモクセイ、そう、小さな一片の花びらのような存在です。 とよくわからん前置きはおいておきまして、感想です。 編集者と作家の台詞形式のお話でした。 面白かったと思います。 事実は小説より奇なり、そんな話でしたね。オチもちゃんとついていたので面白かったです。 で後半の話ですが。これも構成自体にはなんの問題もないと思います。しかし肉付けが足りていないという印象はやはりあり、例えば同じ世界観に近いお話があればそっちのほうがやはり読まれるのではないかと思います。三人称の、他の国の時代を歴史を厚かった作品ということで、重厚さが大事なってくると思いますし、そういう意味では私は読みごたえとしては薄いと思ってしまいました。もっと、こう、肉付けをしてほしかったんですよね。語彙が足りなくてこんな指摘しかできずすいません。 ところで、 『林檎は、林檎の木から遠くには落ちない』という諺がある。事件や問題が起きたら近くに原因がある、という意味だ。 →とあるのですが、軽くググったら「カエルの子はカエル」と同じような意味であると出てきたんですが、そうなるとニュアンスとしてこの説明では意味が通らないと感じました。 作者様がしっかりと調べた上で書かれたものであればその理由をお聞かせ願いますでしょうか。何か他に意図があればよいのですが、そうでないのなら私は少なくとも混乱しました。 では執筆お疲れさまでした。
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合計 | 6人 | 70点 |
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