一気見編【嗚咽】
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注意

これは二次創作であり、実際に起きたことやご本人様方には全く関係ありません。結構短いけど長編のつもりです。
ご本人様方に迷惑をかけるような行為はご遠慮ください。
グロ表現(流血、嘔吐、首締め)などが含まれております。ご了承のほどよろしくお願いします。

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「 … 」
瞼がふと軽くなったと思えば、目が覚めていた。
奥の部屋で誰かが、何かを話しあっていた
父と母だ。
会話の内容はよく聞こえない。ただ、何かを揉めあってるような刺々しい口調だった。
瞼が眠たげに眼球を覆う。

翌日、父は原因不明の事故で亡くなった
その時はまだ幼かったので、人が死ぬということすらわかっていなかった。

────数年後

「お母さん、」
「僕、いつかお父さんに会ってみたい」
「そうだね、いつか一緒に逢いに行こうね」

とある涙雨の日。
「ごめん、ごめんね」
とだけ言い残し、母はどこかへ失踪した
ちっぽけな公園の真ん中で跪いた。僕が1番ちっぽけに見えた。
「僕も連れてって!捨てないで!」
ひどく震えた声が公園中に響いた。
どこに消えたかもわからない母を必死に追いかけた。必死に、必死に追いかけ続ける。
足を滑らせた。顔も服も心も、泥だらけになった。
重い顔を余った力で上げた。そこにはもう母はいなかった。
いくら名前を呼んでも、どんなに待ち続けても、帰ってくることはない
やや乱れた無造作な、湿気った僕の髪が風に凪いでいた。そして僕の頬に、1つ2つ、涙雨が降った。

───数日後
あれからどれほど経っただろうか
何年もたったような感覚だった。
考えることを投げ出したい。人間をやめてしまいたい。

翌日、公園に誰かが訪れた
こんな誰も来ないような小さな公園に、なんの用だろうか?
彼は僕を覗き込み、優しい口調で話しかけてきた。
「えっと、君かな。こんにちは、名前いえる?親は?」
必死に答えようとした。
「お、ぁ゛…!」
意図したように声が出なかった。ここ数日、誰とも喋ってなかったからだろう。
でもその男は僕を優しく包み込むように話しかけてくれた。名前を聞きたいけれど声がでない。ちょっと期待して、彼の顔を覗き込み返してみた。
「そっか…」
「…俺?俺はねー、らっだぁ」
(通じた…!)

「ら…だ…?」
「そう、らっだぁ」
どこか懐かしい響きだ。

「君さ、家来ない?」

拾われた捨て犬のように全てを受け入れた。そのまま彼の腕の中で、まるで痛みを覚えたかのように、かたく、きつく瞼を閉じた。
体が震えるほど喜びがこみ上げる。
がまた、自分の育った家をいざ去るということは、このように悲しく辛く真実別離の感が魂を貫いた。古びた家の柱などが急に目を覚し、出て行こうとする自分を、愕いて見守っているようにさえ感じる。
しかし思い出はいつまでも、当時の新鮮さ、多様さで、この家に生きつづけ住みつづけるであろう。いつも僕に寄り添ってくれるのは、僕の家だけだった。
気がついたら家に連れて行かれていた。そこには男の友人か、はたまた家族と思われる人らがいた。
僕はそこで暮らすことになった。
みんな、まだ幼く1人では何もできない僕を、弟のように精一杯世話してくれた。
こんなに幸せなのはいつぶりだろう
その時何故か、ふとあの記憶が蘇った

───「僕も連れてって!捨てないで!」

─数年後─
僕はやっとのことで小学校に入学した。
とにかく何もかも足らずで、実力差が酷かった。それでも勇気を奮い起こして、なんとか精一杯生きてきた。
こばこだと一緒に登校していた日
若葉風が僕の髪を靡かせて遊んでいる。こばこだは僕の髪をいじって遊んでる。最後に僕の耳にそっと髪をかけて、頭を撫でようとしてくれた。弾いたけど…
今日も幸せだな

そう思えるのも今のうちだった

殴る、蹴る、殴る、蹴る
僕の肩を
突き飛ばしたのは誰だ
霞んだようにみえる鮮やかな黄緑色の髪は、渦を巻いて、キラキラと震える。底へ底へと落ちる。まるで社会の底辺に落ちるみたいに吸い込まれた。こっちへおいでと言われた気がした。
それから小石か何ぞのように未練なく落ちて行った。
        …ガンッ
という音と共に、僕には大きな穴があいていた。僕の大事な何かに。
病院で目が覚めた。僕を心配そうに覗き込むみんな。
打ちひしがれたようにじっと目を落としたまま黙り込む。
てんぷらちゃんの顔が酷く傷ついたように見えた。ひどい罪悪感に苛まれた。
それから、毎日のように殴られ、蹴られ、あざや傷だらけになった僕の顔を、一筋の涙が通った。
あの頃の涙と同じ味だった。
こばこだを避けて家に帰る。
てんぷらちゃんが出迎えてくれていた。
ふと、あの酷く傷ついた顔を思いだす。
もうあの顔を見たくないから、僕は嘘をつくことにした。
「その傷、どうしたの」
あんなに優しかった声はどこに行ったのだろうか。
冷酷そのもののような声と顔つきで問いかけてきた。
「転げただけだよ、大丈夫!」
「どうしてあざができてるの?ほんとに転んだだけなの?」
「ほんとだってば!気にしないで!あ、ちょっと手洗ってくるね!」
「ねぇ!ちょっと待ってよ!」
ベットの中にいた僕は気がつくと涙を流していた。
…そうだ、明日、何か交流会らしいし、休むか。
いつのまにか、行きたくない時には休むことが当たり前になっていた自分が嫌いだ。
「明日は学校休むね」と一言だけいい、部屋に篭っていた。
「…そっか……」
らっだぁらしき声がした。どこか切なく、細かく震えていた。こんなところで恩人を悲しませるのか?困らせるのか?嫌だ。ダメだ、行かなくちゃ。学校。心配させたくないな…
学校についた。ずっと下を向いている重い頭と首はもう上がらない。
交流会だからそりゃー、教室には誰もいなかった。なのに











なのに何かが見える?










なにかが、だれかが
黒いなにか?
こっちをみてる
僕を嘲笑っている
喉がつまる
吐き気がする、
そうだ、吐き出せばいい
「うぉぇ……げほッ、…ゴ、ホ……ッおッぅぐおぇ゛…お゛!」
朝、噛みきれなかった食事たち。それも全部どす黒く見えた。
気持ち悪い
吐き出さなきゃ
「かはッ、…ゴフ……け、ほ…ぁ゛!ゔッぐぁ!!」
床いっぱいに血がひろがった。吐血してるとも知らず吐き続ける。吐いて、吐いて、吐いて吐いて吐いて吐いて吐く。
「おいよさん?」
誰かが僕を呼んでる。聞き覚えのある声。黒い奴らか?嫌だ、こっちに来るな、名前を呼ぶな、嫌だ。嫌だ、やめろ、やめろよ、いやだよ、助けて
「いないのぉ…?」
…違う、違う
らっ、だぁ…?、こばこだ??なん?で、?、また。こばこだ?、ら?っだぁ??どうして?
呼び止めようとしてみるも声も出ず、何もできないまま2人はどこかへ行ってしまった。
い、行かないで…!!ここにいる!!!
必死に追いかけようとする。あの頃みたいにすぐ立ち上がることもできなかった。
そのまま数十分たち、重い頭と腰を上げ、家に帰らせてもらった。
家にいたらっだぁにも声をかけれなかった。
そのまま部屋に篭っていた。
「あ…れ?なにし…て?
「ゴホッ、…ァガッ、………ッぐ……ぅあ゛ッ!!」
何故か、自分の首を締め付けていた。自分の意思じゃない。勝手に動いてる
そうだ!黒いの、死んだら消えるんだ!
思いっきり首を絞めた。
そこで正気を取り戻した。自分は何をしようと…?
首には、赤く手形がついていた。
「何し…………てる…の?………くそ、…
 … くそ!!!!!!!!!!!!」
くそ、こんなもの信じられない。クソが。
「おいよ?」
らっだぁが気づいて部屋に来た
らっだぁの差し伸ばす手と頬にうっすら赤い血が流れている幻覚が見えた。
床に頭を押しつけた。綺麗な前髪はぐちゃぐちゃになった。頭が破裂するほど押しつけて、耳を塞いで、目を閉じて、息を殺した。らっだぁは、みんなは、寄り添ってくれる、なのに僕は、僕は…
「ら、だ…ぁ、みんな、ぁ、よりそっくえ、て、なの、なの…に、ぼく、は、ぼくは…」
そのまま僕は瞼を閉じる。時間が止まった。
目を開ける。世界にもう一度時間が流れ始める。
ベットに1人、ぽつんといる。ここは天国?それとも地獄?
と思ったけれど周りにはみんながいた。
誰かわからないけど…「おはよう」と言って僕の頭を撫でていた。誰かの腕の中で抱かれていた。あの頃と同じ感覚だ。静かにそっと目を閉じ、全てを受け止めた。
首には赤い手型が残っており、喉も詰まって、目眩もしていた。
さらには吐血までしてしまった。せっかくら民が用意してくれたいつも綺麗だった僕の服は、真っ赤に染まってしまった。
「ゴホ、ァ…!!ゔ、ぇお…ぅ゛……ガハ、カ、ハッ」
誰かわからない人と2人だけの空間になった。その人は僕に、赤いマフラーをかけてくれた。おそろいだ。暖かい。
僕は誰かもわからない青髪の人に抱きつき、彼の腕の中で思いっきり泣いた。彼は、自分のマフラーで僕の頬を滴る涙を優しくなぞった。彼は、僕を大丈夫、と慰めるように、僕の頭に唇を軽く乗せていた。
溜まってたものを全部、涙に流した。それから
「ありがとう、ごめんなさい」と呟いた。それだけははっきりと聞こえたそうだ。


続編(後日談?)↓
「 … 」
ふと、何かを思い出したかのように目が覚めた。
「あれ…?」
目を開けると目の前には青髪の彼が眠っていた。彼に泣きついた後、寝てしまっていたようだ。改めて、すげー身長差…
彼のマフラーをぎゅっと握って、ベットから立った。顔を洗って、拭って…
らっだぁが気づいたようだ。僕の肩をトントンと叩き、背中を押されみんなのところへ連れて行かれた。
そこにはみんなが集まっていて、よくわからないがワイワイしていた。
てんぷらちゃんは、かなり僕のことを気にかけていたらしく、僕が嘘をつくたびずっと泣いていたそうだ。
僕もそれがショックで泣きそうなった。ぬぐってもぬぐっても涙が滴り落ちてくる。

「ご、ごめんなさい!?てんさん?!!?」

「ご、ごめんね?!あやまらなくていいんだよ!!」

と、2人とも永遠に泣きながら謝り、それを慰めるこばこだとねねむいちゃん。
ただひたすらに見守っている運営とら民。
うーん。カオスだ。
でも、僕らの平和がまた戻ってきた感じ。
僕はそっとてんさんに微笑みかけた。へにゃりと引きつった笑顔だったけどてんぷらちゃんも微笑みかけてくれた。
それから朝ご飯を食べた。
「ホラ、チャント噛ンデ食ベロ!」と保護者面し、無理矢理口に食事を突っ込んできたみどりくん。
「…む、むぐ!!!んが!」
いつのまにか食卓には笑顔が溢れていた。
僕の求めていた物ってこれだったのかも。
「おいよちゃ〜ん!てんとこばちゃんとねねむいちゃんでお出かけしよ!」
おいよさんのパーカーの耳をぐいぐい引っ張って、
まだ着替えてないおいよさんを外に連れ出そうとしてる。
「え?ちょっと!」
服は肩からずれ落ち、ボタンはきちんとしまっていない。
朝食のパンをくわえたまま、てんぷらちゃんに連れ出される。
今日も最高の日!
























───?年後
おいよさんは社会人になった。
すでに結婚もしており、子供もいた。
ら民や運営から離れ、ちゃんと自分の家を持っていた。
ある涙雨の日の夜。
奥さんと揉め事があったとおいよさんから連絡があった。
それから何があったのか聞こうとしても、返事が返ってこなかった。
翌日、おいよさんは原因不明の事故で亡くなった。
「奥さんに殺された」なんてことは、ら民も運営も、誰もかもが知っていた。
それからおいよさんの奥さんは失踪し、
ちっぽけな公園に1人、おいよさんの子供が、名もなき罪もなき小さな男の子だけが、残った。
「僕も連れてって!捨てないで!」

「こんにちは。君だよね。名前は?」
「な、なまえ?
 「わからない…」
「あなたは?」
「俺?俺ねぇ、らっだぁ。」
────君、うち来ない?
「いいの?」
「うん、よろしく」

─?年後─
君は、’’おいよ’’っていうの。」
「おいよ?」
「うん、おいよ。」




───?年後
「僕も連れてって!捨てないで!」

「君の名前は’’おいよ’’。」


───?十年後
「僕も連れてって!捨てないで!」

「君の名前は’’おいよ’’」


───?万年後
「僕も連れてって!捨てないで!」

「君の名前は’’おいよ’’。」


………………………。


歴史は繰り返される。
何十年、何万年、何千万年。
何十、何百、何千、何万回。







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2022年03月13日(日)11時52分 公開
■この作品の著作権はreturnさんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
ごめん赤マフ首の一気見編なんだけどさ
名前「嗚咽」に変えました
僕メールやってないからURLとか貼られてもわからんのや
編集も削除もできんのです…


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