ある大学生の生態 合コン編
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部
チャプター1

「おいおい……マジかよ」
 スマートフォンを握った手が震える。
――飛び入り参加で女の子が一人増えちゃった。人数をそろえたいから明日までに男子を補充して。
 それは俺の貴重な女友達、美樹が送ってきたメッセージだ。そこには無茶苦茶なお願いが書いてある。
「明日までってなんだよ……三対三って決めたじゃねえか」
 連絡の内容は合コンの打ち合わせ。俺は美樹と一緒に合コンの幹事をすることになっている。当日三日前、つまり一昨日の打ち合わせで合コンは三対三ですることを決めた。
 しかし昨日になって、美樹が呼ばなかった友達の一人がどうしても行きたいと駄々をこね始めて、人数を増やしざるを得なくなったらしい。
 これだけだったら男子という立場から見ると嬉しいお知らせだ。お付き合いできる女の子の選択肢が広がるのは大変ありがたい。みんなそう思って当たり前だ。
 でも急に補充をしないといけないのは、幹事という立場からしたら大変困る。しかも明日まで。時間的余裕は少ない。
「無茶言わないでくれよ」
 俺はたまらず今口に出したままの内容でメッセージを返す。それに対しての返信は早かった。
――だって仕方ないでしょ? 元から参加するつもりだった子が「余る子が確定でできるじゃん」って言ってくるのよ。そんな殺伐とした空気で合コンなんかさせたくないわ。
 それも至極全うなことだな。どちらか片方だけ参加者が増えれば、増えた側の性別で取り合いをしなければならなくなる。俺も逆の立場だったら嫌だと思う。単純にライバルが増えるのは面倒だから。
 同人数でも魅力的な異性がいれば、取り合いの可能性は出ることがあるけど、それは絶対ではないからな。今回の状況と一緒くたにはできないだろう。
 俺が頑張って補充を見つけるしかない。それも明日までに。
 友達から選ぶのは難しいだろうな。仲がいい子はまだ何人かいるけど、そいつらが最後の定員に入るために揉めだしたら本末転倒だしな。美樹に迷惑をかける可能性が跳ね上がってしまう。
 だからと言って、仲がいいわけでもない奴を誘う気にもならない。どうしたものか。
「おーい、大川君」
 そうしていると誰かから呼びかけられた。
「え?」
「もう講義は始まっているんだよ。スマホはしまって俺のありがたーい話を聞いてくれ」
 同級生、特に男子の笑う声が響く。教壇には教授が立って俺の方を向いていた。
「あ、すみません!」
 慌ててスマホをしまう。SNSに夢中で講義が始まっていることすら忘れていた。
 この時は没収されなかったのが奇跡だと思った。

「では本日の講義はここまでだ。気を付けて帰りたまえよ諸君達」
 教授に促され、みんなが教室を出ていく。でも俺はこれから補充要因を探しに行かないといけないし、大変だ。
「えーっと、大川健太郎君」
 荷物をまとめていたら教授が近寄ってきた。
「何ですか?」
「後で職員室にきたまえ」
 顔だけ笑っているが、声には怒気がある。そりゃそうか、講義中にスマホを使ったことを怒らない先生なんていないはずがない。
 時間的余裕はないが、これには従うしかない。相手がこいつならなおさらだ。

 結局俺は半ば連行されるような形で職員室に連れ込まれた。デスクを隣に教授と向かい合うよう座らされる。
「いやあ……それにしても、この俺のとてもとてもありがったーい講義の最中にスマホを使う無礼者がいるなんてねぇ……」
「すみません……」
「全くだ。本当はさぁ、同級生の前で長々説教して貶めてやろうかなとも思ったんだよ。でもそれだと講義の時間が減っちまうからな。同級生のみんなに迷惑もかからない上、彼らの前で恥をかかないような形で説教をしてやってんだ。慈悲深いこの沖野様に感謝しろよなぁ」
 ねっとりとした声での叱責。こいつは顔と声だけはキレイだから、余計陰湿な印象を感じる。
 というか、本当に慈悲深い人ならこんな恩着せがましい言い方絶対にしねえだろ。
 でもそれをこいつに対して言ったらもっと面倒なことになる。身の安全を第一にするなら黙って聞くしかない。
「で、俺様のヴェリーありがたい話を聞かずにスマホで何をしていたんだ? ゲームか? インターネットか? それともSNSか?」
 さらに追及してくる。毎回毎回ありがたい話って言う時微妙にイントネーションと修飾語を変えてくるところが余計ウザイ。
 しかも質問の内容にさりげなく正解が入ってるし。
「SNSです……」
 質問には正直に答える。これは口答えをしないのと同様に、こいつの前では絶対に守らなければならない鉄則だ。
「ほう、SNSか」
 憎い沖野の野郎は笑いながらコーヒーを飲んでいる。普段は気にならないけど、こういう時はコーヒーの匂いがスメハラに感じてしまう。相手がこいつだから尚更だ。
「面白い。では取引をしよう」
 取引……? どういうことだ?
「やり取りの内容を見せろ。その内容が気に入ったら没収は免除してやる」
 その提案は俺達学生にとって悪魔の提案だった。スマホのためにプライバシーを捨てるか、プライバシーを守るためにスマホを献上するか。
「見せなかったら一か月の没収、内容が気に入らなかったら次の月曜日まで没収。これでどうだ?」
 絶妙に選び難い選択。こういうところを強いてくるのも腹が立つ。
 今の時代スマホは必需品と言っても過言ではない。それを長期間没収されるという精神的苦痛がどれほど苦しいかは現代人なら容易に想像がつくはず。
 だがこいつはプライバシーを侵害する代わりに没収を短くしてやる、という提案をしている。耐え難い二種の苦痛を掲示し、どちらを受けるかを選べと言っているのだ。
 確かに授業が始まっていることを気がつかないでスマホを使っていたのは俺が悪いよ。でも相手に非があるからといって、それに漬け込み苦痛を与えるのを肯定する理由にはできない。もしこいつが本当に慈悲深い奴だったらそう思うはずだ。
――だが、ここでスマホを取られるわけにはいかない。こんな奴のやり方に乗せられるのは悔しいが、スマホを取られずに済む確率があるならそれに賭けるしかない。
「……こちらです」
 結局俺はプライバシーを犠牲にすることを選んだ。スマホのロックを解除し、SNSアプリを開く。
「ふむふむ。ほう、合コンの話か」
 沖野の野郎はどういう時でも笑ってる。だから何を考えているかがさっぱり読めない。わかることがあるとしたら、他人に悪意を向けているかどうかくらいだ。
「補充の男子が一人必要……ほう」
 強く目を開く沖野。それがどうしたんだよ。
「面白い。気に入った」
 まさかの言葉。こいつがこんな時に気に入ったなんて言うとは思わなかった。
「いいだろう。没収を免除してやる。ジェントルな俺様に感謝しろ」
 やった。まさか、本当に取られずに済むなんて。恩着せがましく感謝を強要してくるのはムカつくが、それでも俺は嬉しかった。
「あ、ありがとうございます!」
「た、だ、し、だ」
「え?」
「ここに書いてある補充要因を俺が調達する。その条件付きでなら没収を免除してやる」
 補足するように条件をつけ足す。こういうところは相変わらずタチが悪いな。
 ただ内容はそんな特別なことではなかった。補充要因を沖野に選ばせる。それが没収を免除してもらう条件か。
 俺が損する要素は一つもない。むしろ補充要因を選びに行く手間が省けるのはありがたいくらいだ。懲罰の意図も感じられない。
「じゃあ、お願いします!!」
 俺はその条件を甘受し、頭を下げる。この時は沖野に本心から感謝した。
「食事をするのはどこの店だい?」
「京橋駅近くのイタリア料理店です」
「では補充要因として派遣する子には、京橋駅で待ち合わせするよう指示をしておく」
「はい!」
「では気を付けて帰りたまえよ。翌日の合コンはアジールになることだろう」
 話が終わったので俺は職員室から出た。

チャプター2

――合コン当日。集合場所の京橋駅へ向かう。改札口を出ると友人二人が待っていた。
「カイ、ソージ!」
「おお、ケン! 待ってたぜ!!」
 呼びかけるとまずカイが振り向いた。カイとソージは高校からの同級生。同じサッカー部に入っていた。
「メンバーがそろうまで待てばいいんだな?」
 ソージも返事をする。少しぶっきらぼうな奴だけど、合コンだからか今日は嬉しそうだ。
「しかしよー、女の子増えるのはいいんだけどさー。なんで男まで増やさないといけないんだよー。ライバルが増えるじゃねえか」
 カイの軽口。こいつはソージと違ってお調子者って奴だ。
 まあ言いたいことはわかるけど。それでも女の子達からしたら公平な条件でやりたいのが当然だし、カイの主張を受け入れる訳にもいかない。俺は幹事だから尚更だ。
「しかたないだろ。それを言いたいのは女の子達も同じだ。俺らも同じ立場になったらいやに思うだろ?」
「チェッ、わかったよ」
 明らかに不服そうな返事。まあカイはこういうキャラだし、本心から納得させるのは無理があるか。
 本音を言うとこの二人は少し心配だ。どっちも異性から苦手意識を持たれるタイプだからな。
 正直、始まる前から不安になってきた。会う女の子達が怖がったらどうしよう。美樹は結構男勝りなところがあるからな心配はなさそうだけど、大人しい子とか引っ込み思案な子が見たらどう思うのだろうか。
 そういう子は単純にソージみたいなワルを怖がると思うし、馴れ馴れしいカイと話すのも神経を使うよな。
「あ、いたいた。ケーン」
 そうしていると美樹がやってきた。チェック柄のシャツを着ている。遊ぶ時はいつも見せてくれるお気に入りのコーデだな。後ろには女の子が二人ついてきている。
「あ、美樹。来たのか」
「約束通り連れてきたよ」
 横にそれて連れてきた女の子を見せる美樹。髪型は脱色したツインテールと、ありきたりなショートボブ。二人共小柄な子だった。でも見かけの印象は全然違う。
 まずツインテールの子はノースリーブのワンピースを着ている。バッグもおしゃれなブランドものだ。それにツインテール。ファッションの全ての要素が大胆で、小柄ながらセクシーな雰囲気が出ている。
 一方でショートの子は長そでの白シャツを着ており、特段おしゃれな装飾はない。まるで高校時代の制服をそのまま来ているみたいなコーデだ。
 美樹やツインテールの子と比べたらちょっと地味だけど、受ける層には受けそうなコーデだ。俺は見かけだけならこの子が好みかな。
 それにしてもみんな気合が入ってるな。女の子がおしゃれ好きなのは別に不思議なことじゃないけど、これは本気度が高そうだ。
 俺達男子は全員カジュアルなシャツ姿だから、余計に映える。多分通りがかっている人達は凄く羨ましそうに俺達を見てることだろう。
 正直こんな安っぽい服を着てきたのが恥ずかしくなってくる。俺ももっとファッションを考えておいた方がよかったかな。
「うひょー! みんなかわいー!!」
 さっそく調子に乗って喜ぶカイ。その声量に女の子達が戸惑う。
「……ああ、それはどうも」
 美樹だけが冷静に返答する。完全に呆れ顔だった。多分腹の中では「こいつはハズレだな」とか思っていると思う。美樹は昔から性格がきついから。
 俺の勝手な予想では何となく美樹とカイは合わなさそうと思っていたが、それは正解だったらしい。他の二人も愛想笑いだ。
「……それじゃあ、全員揃っていないけど自己紹介始める?」
 何はともあれ幹事としての役割は果たさないとな。まずは自己紹介、合コンに限らず人間関係の基本だからな。
「じゃあ男子からお願い」
 美樹が返事する。なら幹事の俺から始めるか。
「俺は大学三年生の大川健太郎です。今日は美樹と一緒に幹事をします」
 ネットで調べた通り丁寧に挨拶をする。女の子達からの反響は普通程度だったが、それは減点ポイントがないということでもある。
 ここから加点できるかどうかは全て俺次第。その過程も含めて楽しんでいこう。
「俺は斉藤魁って言うんだ、よろしく!!」
 カイの挨拶はいつも通りだった。元気のいい挨拶だが、率直に言って礼節に欠けている。男子同士ならこれでも及第点かもしれないが、これはどうもな……目上の人が相手だったら確実に0点だし、女の子も最近は引っ込み思案な子が多いしな。
「俺は森田総司。カイとケンとは友達だ」
 それに比べるとソージの挨拶は幾分かマシだった。
 いや、こっちも絶対目上の人にはしちゃいけない挨拶だけどな。それでもカイみたいに馴れ馴れしすぎるわけではないし、こういうワルが好きな女の子も少なからずいるらしいからな。
 ……それでも好感にはつながりにくいようで女の子達は微妙な反応。美樹は冷めた目で俺達を見ている。ツインテールの子も同じだ。ショートの子に至っては明らかに怖がっている。
 ああ、だから俺は不安だったんだよ……カイとソージが合コンをしたいって言うから、美樹に無理して頼んで合コンをセッティングしてもらったんだけど、始まる前から申し訳なくなってきた。
「おいおいお前ら。女の子は繊細なんだから友達同士のノリはやめてやってくれ」
 このままだとまずいからさすがに注意しておく。
「あれ、そうなの?」
「……すまないな」
 二人は納得したのか、少しテンションを抑えた。それを見て女の子達は俺に注目している。どうやら今ので少し好感度が上がったようだ。
「じゃあ今度は私達ね」
 俺の注意喚起が終わったところで、今度は美樹が自己紹介を始める。
「私は野谷美樹。ケンと同じく幹事をするわ。ケンとは幼なじみなの」
「へえ、そうなの?」
 声量は抑えているが相変わらずチャラい態度のカイ。これがこいつのアイデンティティとはいえ、少しは状況を見てほしい。
 美樹も表情に機嫌が現れ始めた。多分内心ではロクな奴がいないってガッカリしてるんだろうな……せめて作法くらいは勉強させるべきだったろうか。
「人数合わせ大変だったのよね。私達の都合で急に参加者を増やすことになったから、ケンには大分迷惑かけちゃったわ。まあみんなで良い合コンにしましょう」
 結びの言葉が幹事らしい挨拶だ。俺も美樹の言うような良い合コンを作れるように頑張りたい。
「私は飯田奈波。ミキとは同級生なの」
 次はツインテールの子が挨拶をした。大胆なコーデに反して落ち着いた話し方だ。奈波ちゃんっていうのか。
「南條瑞華です……こういうことするのは初めてです、よろしくお願いします……」
 もう一人は瑞華ちゃんって言うのか。あがり症な子なのか、声に落ち着きがない。間違いなくカイとソージを怖がってるな。
 でもあいつらを怖がっているってことは、消去法で俺に声をかけてくれる可能性があるってことだ。
 もしかしたらこれは千載一遇のチャンスかもしれない。友達の無礼をダシにしてお付き合いに持っていくのは少し気が引けるけど、この子がカイやソージと一緒になって幸せになれるようにも思えないし、利用させてもらうか。
「あれ、女の子もう一人いるんじゃなかったのか?」
 考え事をしていたらソージが疑問を口にした。確かに今は美樹を含めて三人しかいない。もう一人来る友達がまだ来てないのだ。
「ああ、その子は私達とは反対側の駅から来るの」
 なるほど、最寄り駅が違うなら一緒じゃないのも不自然じゃないな。
「その子が連絡した飛び入り参加の子?」
 思い出したように質問する。誰が飛び入り参加の子か確認していなかったからな。
 今来ている子達に飛び入り参加がいるなら、可能性があるのは奈波ちゃんだけだ。瑞華ちゃんは態度を見るだけでそんな駄々がこねれるようには見えない。
「ええそうよ……あの子、自分から行きたいって言っておきながら遅刻するなんて……」
 どうやら質問した通りらしい。美樹がまた不機嫌な表情になる。もしかしてあまり仲が良くないのかな?
「あ、美樹だー!!」
 ホームから聞こえる叫び声。みんなが振り向くと、そこに彼女はいた。
「あ、真子――」
「おっまたせー!!」
 その女の子はためらわず美樹に抱き着く。
「わ、ちょっと離しなさいよ!!」
 友達同士のスキンシップにしてはかなり激しい。美樹は明らかに嫌がっていた。どうやらこの子がもう一人の女の子みたいだ。
「あ、ごめんごめん」
 謝り方もかなり雑だ。でも正直に離すあたり、人の言うことは聞ける子らしい。
「真子、この人達が合コンの相手よ。挨拶しなさい」
 美樹の言い方はまるでお母さんみたいだ。
「みんなー初めまして! 私、大学三年生の蔵間真子って言うの! よろしくね!!」
 他の女の子と違って元気いっぱいな挨拶。一人だけ明らかにテンションが違う。
 しかし他の女の子と違うのはテンションだけじゃない。
「うわっすげぇ……」
 カイが息を飲むように言う。いつもならチャラい挨拶を投げ返すはずなのに。その理由はなぜだろうか。
 それは彼女の圧倒的なスタイルだった。女の子の中では大柄な体格、それに比例して膨らんだ胸元、つやのあるロングヘア。
 衣服は純白のワンピース。奈波ちゃんと違って袖はついている。そして何より童顔気味だがきれいな笑顔がそれら全ての魅力をいや増していた。
 まるで女優やモデルみたいな容姿。そんな彼女が俺達と同じ三年生というのが衝撃だった。
「…………」
 挨拶をしている間、美樹は黙って彼女を見ていた。どういうわけかかなり険しい表情だ。奈波ちゃんは興味なさそうにスマホを触っている。瑞華ちゃんはあたふたしていた。
 真子ちゃんと美樹達の関係がどうなっているのかは知らないが、歓迎するような態度には見えない。これは不仲説が濃厚になったな……
「ねえみんなも名前教えてよ!」
 彼女のお願いに、カイとソージが先に応える。
「斉藤……魁です」
「森田総司……」
 露骨に照れてるな。結構ウブなのかお前ら。
「わー二人共かっこいい名前! 特に森田君とか、沖田総司みたい!!」
 これはクリティカルヒットだな。この子、男の子に好かれる方法を熟知している。
「実際に母さんが沖田総司のファンだったんだ……」
「そうなんだー!!」
 マジかよ。それは初耳だわ。
「ねえねえ君はなんて言うの?」
「俺? 大川健太郎だけど?」
「斉藤君に森田君、大川君ね!!」
 なんか、始まってすらいないのに疲れてきた。この子、元気すぎる。写真だけを見せられたら大人しい子と錯覚しそうなくらい大人びたスタイルなのに。見た目と中身のギャップがすごいな。
 あ、そう言えばまだ補充要因が来ていないな。沖野の奴が昨日晩飯くらいの時間に補充を立てたと電話してきたから、来ないことはないんだろうけど。
 ちなみに美樹には沖野に選ばせたことは一応昨日の時点で話している。文句は言われたが没収と引き換えに要求されたから断れなかったって言うと、しかたなく納得してくれた。
 しかしどんな奴が来るんだろうか。顔も知らないんだけどな。
「もしもし」
「へ?」
 考え事をしていたら誰かに肩を叩かれた。
「君が大川健太郎君かね?」
 振り向いたらそこにはスーツを着た男がいた。背は高く、見た目は二十台くらい。顔立ちは優男風だが、声のトーンは低い。まるで喉だけがおじさんみたいな男だ。
「そうですけど?」
 正直に答える。なんでこの人は俺の名前を知っているんだ? 
「そうか。私は東地洋久。教授の命令で君達の合コンに参加することになった。よろしく」
 あ、この人が補充要因なのか。そうかそうか、え?
「うわっ……」
 後ろから奈波ちゃんの声が聞こえる。その反応はまるで真子ちゃんが来た時のカイ達みたいだ。
 もちろん息を飲んでいるのは奈波ちゃんだけじゃない。美樹も、瑞華ちゃんも。そしてカイとソージもだ。
 何なんだろう、この光景は。飛び入り参加した女の子と補充の男、この二人の存在感は凄まじかった。まるで大学生同士の合コンに男女一人ずつ俳優がいるかのような場違い感。
 男子にとっても女子にとっても強力なライバルがいるこの状況。おいおい、これ、とんでもないことになってないか?
「あ、そうなんですか。よろしくお願いします」
 気がついたら柄にもなく敬語を使っていた。
「それじゃあ、全員揃ったから店に行きましょうか。それから改めて自己紹介しましょう」
 美樹が補足するように提案する。
「……いいだろう」
 この東地という男もそれに納得したようだ。冷めた声で返事する。
 まあ、何はともあれようやく合コンが始まるんだ。早く店に行こう。

チャプター3

 テーブル席に座る俺達。男子と女子が向かい合うように座る。
 ちなみに俺は左端。そこから右はカイ、ソージ、東地さん。俺の前にいるのは奈波ちゃん。そこから右は美樹、瑞華ちゃん、真子ちゃんだ。
「ご注文はどうしますか?」
 早速ウェイターが注文を取りに来た。俺は一通り頼むものは決めてある。まあとりあえずパスタでも頼んでおくか。
「じゃあこのパスタで」
「かしこまりました」
 他のメンバーも基本的に似たようなものを頼んでいる。ただ異彩を放つ注文をするのが二人いる。
「じゃあティラミスとバニラジェラートとチョコレートジェラートください」
 一人は奈波ちゃんだ。パスタやピザみたいなメインディッシュは一切注文せずデザートメニューばかりを選んでいる。
「奈波、デザートばかりじゃない。ちゃんとご飯も頼みなさいよ」
 無遠慮にたしなめる美樹。気持ちはわかる。
「なんでよ、別にいいじゃん」
「良くないわよ。せっかくめったに来れないような店を選んだんだから、ちゃんとご飯も食べなさい」
「あ、もしかして美樹って偏った食事をしてる奈波より体重重いこと気にしてるの?」
 そこに真子ちゃんの強烈な横やり。うわ、これはひどい。
「はぁっ!? 私はこれでもBMIは適正体重なのよ!! 第一私よりあんたの方が体重重たいでしょ!!」
 感情をむき出しにして怒る美樹。まあ当然だな。女子同士でも体重の話はデリケートだから。男子の目の前なら尚更。
「それは私の方が身長大きいから実質プラマイゼロね」
 確かに体重は基本的に身長に比例するものだけどさ……男という身の上からしたらこんなデリケートな話題でケンカされたら萎えるなぁ……
 というか、女の子って友達の体重を把握するのが当たり前なのか?
「そちらの方はどうします?」
「……麺とピザ以外でオススメは何がありますかな?」
 ……もう一人変な注文をしているのは、東地さんだ。パスタとピザを除外したおすすめメニューを聞いている。糖質制限しているのか、それとも通ぶろうとしてるだけなのかはわからない。
「スープメニューはブイヤベース、肉料理では牛のテール煮込みがおすすめです」
「うーむ、トマトは苦手なのだが……」
 トマトが苦手って……あんたイタリア料理を何だと思ってるんだよ。トマトはイタリア料理に欠かせない食材だろ。
 あ、よく考えたらこの人、沖野の奴の命令で来ているんだったな。これは失礼、口に出さなくて良かった。
「ではカルパッチョはどうでしょうか?」
 ウェイターがさらに提案する。
「ではカルパッチョと生ハムを。飲み物にアイスコーヒーもください。砂糖はなしで」
 色々あったけど、全員が注文を終えたようだ。
「それじゃあ、東地さんのために改めてみんなで挨拶しましょうか」
 ウェイターが厨房に戻ったところで、俺が提案する。
「では、男子から始めてもらえるか」
 その要望を聞きつけ、真っ先にカイが話す。
「俺は斉藤魁ってんだ! よろしくな!」
 相変わらず丁寧にする気はない。この人、四年生なんだけどな……
「……チッ!」
 明らかに大きな舌打ち。東地さんだった。威圧的な雰囲気に、他のメンバーが黙る。
「……森田総司です」
 空気を読んだのか、後に続くソージは柄になく丁寧に挨拶する。
「では私の番だな」
 俺は省略して、東地さんは自分の紹介に移るそうだ。
「私は東地洋久。大学四年生だ。学科は電気工学科、沖野教授の命令で出席した」
 声が低いから、普通に話しているだけでも怒っているように聞こえる。顔はキレイだからかギャップがすごい。それも真子ちゃんとは正反対の好ましくない方のギャップだ。
「貴様らは皆三年と聞いている。年上には礼儀正しくしろ。この斎藤魁というクソガキのような態度は取るなよ」
 ……と思ったら、マジで怒ってた。カイを名指しで批難している。この人あれだ、たまにいる上下関係に対して異常に厳しいタイプの先輩だ。
 女の子達は萎縮している。お互いが友達になるための合コンで、こんな態度取る人がいたら怖くて当たり前だろう。特に瑞華ちゃんの今にも泣きそうな顔は、絶対に忘れられない。美樹は無言で俺達四人をにらんでたけど。
「わー! それだったら私、みんなから敬語使ってもらえるね!!」
 その時、真子ちゃんが叫んだ。
「なに?」
 みんなが戸惑う中、東地さんだけが声を出して反応する。
 彼女の態度には東地さんへの恐れはない。あんな威圧的な挨拶をされたのに、なぜかすごく嬉しそうだ。
「実は私、高校と大学で一回ずつ留年しちゃったんだ! だから私、今二十五歳なの! 東地君は一回も留年してないんでしょ?」
「……そうだが」
「だったら私の方が年上だね! ほらほら東地君、敬語で話して!!」
 なんだろう、都合の良い執事を手に入れたような笑顔だ。女の子達は美樹も含めて呆れている。
「……勝手に年下と決めつけて、申し訳ございません。今後は気を付けます」
 一転して丁寧な謝罪に、笑うカイとソージ。その瞬間東地さんが二人をにらめつけていた。

 そこから先は女の子達の自己紹介。でも真子ちゃん以外は名前を言うだけの雑な挨拶だ。
 特に美樹は完全に俺達を見限るような態度だ。まあこのメンツならしかたがない。というか、女の子達の中では美樹が一番絶望していいだろう。
 幼なじみの俺とはわざわざお付き合いする理由なんてない。だから選択肢には最初から入っていないはず。となると残りの三人から選ぶことになるのだが、無作法なカイには今までの雑な返事を見る限り完全に辟易している。
 東地さんは挨拶の時点から0点だ。そもそも作法をキチンと勉強してきたかどうかも怪しいくらいにやる気がない。沖野の命令で来ているせいなのか?
 残りの択であるソージも、減点理由は少ないが加点できる要素もない。他よりはマシ程度のモチベーションでお付き合いしても上手くいかないだろう。ハッキリ言って美樹にとっては全員ハズレという最悪のメンツがそろっているんだ。
 他の子達がどう思っているかは知らないけど、瑞華ちゃんは確実に怖がってると思う。奈波ちゃんがなんとか談笑して恐怖を紛らわそうとしているけど……

 それから先も、予想通り最悪の展開が待っていた。
 まずカイが馴れ馴れしく奈波ちゃんに向かう。
「ねえ奈波ちゃん、どんなスポーツしてるの?」
「……別に何もしてないけど」
 素っ気ない返事、カイに興味はないようだ。会話が盛り上がらない。
 ソージも何か言おうとしていたけど、その素っ気ない態度に引き下がってしまう。
「ねえね、東地君はゲームとかするの?」
「ゲームか? 三年生の頃はよくしてたな。今は忙しいシーズンだからそれどころではないが」
 一方で真子ちゃんはなぜか東地さんのことが気に入ったらしく、猛烈にアタックしている。カイやソージが介入する余地がないくらいに。
「どんなゲームが好きなの?」
「コート・オブ・ブレイジングシリーズだな」
「わあ! それってめちゃくちゃ難しい戦略シュミレーションじゃない! 私も最新作を一回やったことあるけど、イージーモードでしかクリアできなかったよ! 東地君はどの難易度まで行けたの?」
「全てのシリーズをルナティックでクリアしたが?」
「うわ、すごいすごーい!!」
 やっぱり急に四対四に変えたのは無理があったか。男子も女子も一部だけが盛り上がり、他の子達は何もできない。
 というか、知らない間に言葉遣いが敬語じゃなくなってる。しかも真子ちゃんはちっとも気にしていない。もしかして元から軽口で注意していただけなのか?
「じゃあ瑞華ちゃんはスポーツすんの?」
 一方でカイは次のターゲットを瑞華ちゃんにしていた。
「え、私……」
「そうそう、どんなスポーツが好きなんだい?」
 カイはもちろん、ソージや東地さんの態度を見て完全に委縮していた瑞華ちゃんはもうちょっと絡まれるだけでも怯えるようになっていた。
 というかカイ、お前はスポーツの話題しかできないのか。
「瑞華は病弱だからそういうのは苦手なの。あまり強要しないで」
 そこに奈波ちゃんの横やり。瑞華ちゃんはともかく、女の子はみんな横やりが強すぎる。
「なによー? 別にいいじゃん、運動苦手な子でもスポーツの中継とか見るでしょ?」
「見る子は見るけど見ない子は見ない」
 そんな空気に耐えかねたのか、瑞華ちゃんがとうとう泣き出してしまった。
 ……無理もない。馴れ馴れしいカイと、ワルなソージ、パワハラ気味な東地さんという最悪なメンツが揃っているもの。引っ込み思案な子がここまで我慢できたことの方がすごいよ。
「……ああ、これはもうダメね」
 完全に諦めモードになった美樹。瑞華ちゃんの手を持って立ち上がった。
「ケン、もうダメだわ。今日はこれで解散にしましょう」
 ……そう言うと思った。
「ええー何でだよ!?」
 俺より先に不平を言うのはカイ。
「あのさ、あんた達の所為で瑞華が泣いちゃったのよ!? こんな空気で合コンなんかできると思ってんの!?」
 無神経な発言に対し美樹はついに怒りを爆発させた。カイはドキリとし、反論もできない。
「全くね、瑞華が楽しめないなら私も帰る。行こ、美樹」
 そこに奈波ちゃんの一言。美樹と異なり、静かに怒っていた。
「……ケン、支払いはお願い。後で半分出してあげるから」
「美樹、すまん……俺が沖野に任せた所為で……」
「別にあなただけが悪い訳じゃない。私が真子のわがままを断り切れなかったのも悪かったのよ」
 最後に一言、そう言って美樹は出て行った。
「クッソー、みんなかわいい子だったのにぃ!!」
「……残念だったな」
 カイとソージは悔しそうだった。東地さんを物凄い表情でにらんでいる。
 カイは自業自得として、自分をアピールできなかったソージは不憫だった。多分男子の中では一番の被害者だと思う。
「……いいのか? 友達は帰ってしまったぞ?」
「いいもん、洋久と一緒にいれるなら! さあ、私達も行こ!!」
 そしてなぜか、飛び入り参加の二人だけがお付き合いすることになったようだ。
 クソ、沖野の野郎、ろくでもない奴を連れてきやがって……あいつの人選が悪かった所為で合コンがめちゃくちゃになったじゃねえか。あんなの人と友達になるような態度じゃないだろ。
 あのクソ教師はなんでこんな奴を選んだ? せめて派遣するなら合コンのマナーを指導するくらいのことはしておけよ……おかげで一人の女の子が不幸になっちまった。
 もうあいつを尊敬の目で見ることなどできない。元よりそんな目で見たことはないけどな。

 それから後、俺は美樹ともカイ達とも疎遠になった。昨日まではあんなに仲良かったのにな。俺は一体いつ、どこで間違えたんだろうか。
 没収と引き換えにしてでも自分で補充要因を選ぶべきだったのか。美樹が真子ちゃんの頼みを断りきれなかった時点でもう詰んでいたのか。どちらかはわからない。
 ただ一つ言い切れることは、この合コンで一組のカップルと引き換えに他の全員が不幸になったことだ。


チャプターex

「……失礼します」
 東地洋久はいつも通りの挨拶をし、職員室に入る。すぐに出迎えが来た。
「おお、よく来てくれた。私の一番弟子よ」
 放送を使って彼を呼び出した男、沖野教授だ。
「何の用です? あんな気持ち悪い呼びかけするのはやめてくれませんか?」
 最初に出たのは不平。だがそれは至極正当なものである――私の愛しい一番弟子、東地洋久君。校内にいたら職員室に来なさい。それが呼びかけの内容であった。
「別にいいじゃねえか。俺は君を受け持った学生の中で一番に評価しているんだぜ?」
「…………」
 洋久は今の一言で面倒な人間に気に入られたことを強く実感する。教授が彼のことを好意的に見ているのは事実かもしれないが、それが嬉しいことかは別問題。むしろ彼は気に入られたことが原因で不利益ばかりを被っているとすら思っていた。
「まあ座れよ。コーヒーを入れよう」
 着席を促す教授。彼に好意を持っているのは間違いない。学生にコーヒーを入れる教授というものは大変珍しい。少なくとも洋久が高校生だった頃にそんなことをする教師はいなかった。
「受け取りたまえ。いつも通り君の大好きなブラックにしてある」
 コーヒーの好みも把握しているようだ。彼に気に入られたことでの数少ない利益である。洋久は黙って受け取った。
「ところで何の話ですか?」
「東地君、君は合コンに行ったことはあるかね?」
 突然の質問に困惑する洋久。合コン、それは彼の人生と縁がなかった言葉だ。無論彼がそんなものに行きたいと思ったことは一度もない。
「ありません。それがどうかしましたか?」
 正直に答えるしかない。嘘を言って余計な面倒を被るのは嫌だろう。
 その返答に笑う教授。まるで獲物が罠にかかったかのような笑み。
「よろしい、なら決まりだ。君には合コンに行ってもらおう」
「…………?」
 何を言っているのだろうか、全然意味がわからない。彼はおそらくそう思ったことだろう。
「実はねえ、三年生の生徒から男子を一人補充してくれと泣いてせがまれてね。誰を送ろうか悩んでいたんだよ。君が一度も行ったことがないならちょうどいい。いい社会勉強になるだろう。合コンに行け」
 ほとんど一方的な要求。ますます困惑する洋久。
「なぜ私なんです?」
「はっはっはっ。二度も言わせないでくれ、社会勉強のためだよ」
 そう言われても彼は納得できなかった。それだけでわざわざ自分を選ぶ理由にはならない、彼はそう思っている。
 合コンとは男女が互いに出会いを求める場である。それが普通の認識だ。
 そういうところに浮ついたことと縁のない自分をなぜ送ろうとしているのか。彼にとってはそこが何よりの疑問だった。
「そういうのは荒川とか村上に行かせればいいのではないですか?」
 どちらにせよ何も考えずに同意できることではない。彼はささやかに抵抗をしてみた。
 彼が挙げた男子生徒、荒川と村上は電気工学科でも女好きとして有名な男子である。彼ら二人の友人グループはいつも下ネタ談義をしており、洋久を何度も辟易させていた。
 具体的には自分が実際に行為に及んだ女の話とか、話題のアダルトコンテンツの話などである。嫉妬しているわけではないが、彼らがそんな話題で盛り上がっていることに洋久はあまりいい気分はしなかった。浮ついたことが嫌いだからだ。
 だが合コンみたいな席だったら洋久より彼らの方が経験で優れるのもまた事実。だから洋久は彼らの方が適役だと主張しているのだ。
「いや、ダメだね。女慣れしすぎたあいつらの土産話なんて聞いても面白くねえ。君みたいな女性になれていない男が行くからこそ、面白いテイルができるのだ」
 この野郎、それが目当てか。思わずそう口にしそうになる洋久。だが必死で自分を抑える。
「君の土産話は私にとっておそらく最も素晴らしいゴスペルになる。だから合コンに行け」
 おそらく彼はこれほど欲深い男を他に見たことがないだろう。妙に詩的な言い回しが余計勘にさわる。沖野教授がここの学生から嫌われる最大の原因だ。
「…………」
「そんな嫌そうな顔するなよ。俺がパワハラしてるみてぇじゃねえか」
 パワハラしてるみたい、ではなく実際にパワハラだった。
「……わかったよ。じゃあご褒美を出そう。今度おごってやる。だから合コンに行ってくれ」
 その反抗的な視線に折れたのか、妥協案を出す彼。どうやらどうしても洋久を行かせたいらしい。
「……どこの店です?」
 その提案に少し興味を示したのか、詳細を求める洋久。
「神戸の龍麗飯店だ。学生の小遣いで行けるような店ではないぜ?」
 その名前は洋久も聞いたことがあった。教授が言う通りの高級店であり、観光雑誌で何度も取り上げられる有名店。こんな店でおごってくれると言っているのだ。金額だけで言ったら焼肉に匹敵する、いやメニュー選び次第ではそれ以上かかっても不思議ではない。
「……わかりました、行きます。一度行ってみたいと思っていたんですよ」
「おおそうか。ありがとう」
「約束守ってくださいよ。ボイレコに取ってますからね」
 スイッチを押す洋久。龍麗飯店の名を宣言する教授の声が再生された。
「はっはっは、やるねえ」
 教授は後悔する素振りなど一切見せず、その行動に関心していた。
「集合場所は京橋駅だそうだ。日程は明日の午前十一時。行けるか?」
「了解です。明日は特に用事がないので行けます。では失礼します」
 用が済んだので職員室を出る洋久。飲み切ったマグカップだけを教授に返した。
「……龍麗飯店につられて了承してしまったな。結局は奴の手のひらの上で踊らされることになるとは」
 自嘲的な独り言をしながら大学を出る洋久。そして携帯電話を手に取る。
「……もしもし、母上ですか? 明日重大な用事ができてしまった。相談に乗ってほしい」


END


キャラ紹介

東地洋久
我らが真打。如月千怜が鍛錬投稿室に投稿した作品で一番平均点が高かった「ある大学生の生態」の主人公。今作では四年生であることが言及された。悲劇の元凶その一。
彼の主人公としての立ち位置はシャーロックホームズを意識しており、彼とは別にストーリーテラーを用意することで、彼の葛藤なき雄姿を演出するという形式になっている。
……と言ったものの、今回の彼は残念ながら学食編と比べると格段にヘタれている。彼以上の不思議ちゃんである真子には終始翻弄されていた。それを抜きにしても交友関係を作ることは物凄く下手であることがよくわかる。
まあ今回は相手が悪かったか……

ちなみにもう気づいている方もいるかもしれないが、名前の由来は俳優の東地宏樹氏から。
……ファンの皆さん、こんな変なキャラの名前の由来に使ってごめんなさい。

イメージCV 東地宏樹氏(そのまま)

沖野教授
電気工学科の教授。他の学科の数学の講義も請け負っているそうで、それが健太郎とのコンタクトになった。
学食編では洋久の情報を掲示するためだけに登場したような微妙な役回りだったが、今回は一転してキーパーソンの一人に。悲劇の元凶その二。
学生からの人気は二つに割れており、大半の男子と一部の女子からは偏屈な性格のせいで嫌われている。
一方年齢の割に若い風貌をしていることから、ミーハーな女子生徒から人気があったりする。

イメージCV 子安武人氏

大川健太郎
今回の語り手。大学三年生。
幼なじみの美樹と共に合コンの幹事を担当したが、当日一日前になって急に補充要因を求められるなど、オープニングの時点から散々な目に遭ったかわいそうな主人公。
しかも彼自身の不注意が原因とはいえスマホを没収されそうになったり、それを免除するために取引を強要されるなど、運が悪い。
しかも自分が応じた取引が合コンを破壊する最大の原因になってしまった。
今後交友関係を作るのに重い十字架を背負わされることだろう。

野谷美樹
女子グループのリーダー。健太郎の幼なじみ。
健太郎に頼まれて三対三の合コンをセッティングしたが、当日直前に真子が参加したいと駄々をこねてきたため、やむを得ず男子の増員を要請する。この決断が彼らの最初の過ちだった。

イメージCV 佐藤利奈氏

蔵間真子
飛び入り参加することになった女の子。女子グループからは疎まれていた。悲劇の元凶その三。
明らかに歓迎されていないのに何も気にせず友達といる辺り、人の痛みに鈍感である。
美しい容姿でファッションスタイルも大人っぽかったが性格はかなり子供っぽい。漫画とゲームが大好きで、オタク女子。多分こういうところが疎まれる原因を作っていたのだろう。
最終的には洋久を気に入ったみたいで、連絡先をゲットできたみたいだ。本作における最終勝利者の一人(もう一人は教授)

イメージCV 能登麻美子氏

飯田奈波
甘党で大食い。席に着くなりいきなりデザートを注文し始めるが、それ以外は至ってまとも。そんな食性だが体格は小柄で痩せ気味。もしかしたら普段はきちんとした食事をしているのかもしれない。

南条瑞華
引っ込み思案。初めての合コンで消えないトラウマを刻まれることに。恐らく本作で一番不幸なキャラ。

斉藤魁
軽い性格。健太郎とは幼馴染で同じサッカー部に所属していた。
その性格ゆえか女子グループからは嫌煙されていた。

森田総司
不良風な男子。同じく健太郎の友達。
他のメンツが濃すぎたせいで特に自分をアピールできなかったかわいそうな子。

荒川君と村上君
洋久が言及した人物。作中に直接登場しなかったがシリーズが進めばいつか彼らがキャラクターとして登場する日が来るのかもしれない。
女好きであること以外の人柄は不明だが、洋久からは嫌煙されているようである。
如月千怜 

2020年02月25日(火)21時18分 公開
■この作品の著作権は如月千怜さんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
度々利用させていただいております、如月千怜です。
今回は以前掲載した「ある大学生の生態」の続編を持ってきました。
大学生シリーズについてですが、前回夜想曲編というクソみたいな続編を掲載してしまった結果平均点が0点になってしまいました(汗)
ですので今回は比較的真面目にオチを作ってます。
「それは楽しみだ」という方も「お前の真面目は当てにならん」という方も楽しんで頂ければ幸いです。
ちなみに例によってノベルアッププラス様でも掲載しています。

追記
感想数の伸び次第では本作が鍛錬投稿室に掲載する最後の作品になるかもしれません。

追記2
実はこの作品を女子グループの幹事である美樹の視点から書いたガールズサイドを企画しています。
そちらの方も見てみたいという方はぜひコメントください。

あらすじ
大川健太郎は友達にせがまれ、幼馴染の野谷美樹と共に合コンを開くことになった。
美樹に無理言ってお願いし、何とか女の子を二人集めてもらい三対三の合コンを準備できたのだが、美樹が前日になって男子の増員をお願いしてきた。
急なお願いに戸惑う健太郎。しかもそのメール対応をしていたら教授に講義に集中しろと注意され、放課後職員室に呼び出されてしまう。
しかし健太郎が何をしていたかを正直に話すと、教授はなぜかそれが気に入ったようで、スマホの没収と引き換えに補充要因を俺が選んでやると言ってくる。
健太郎はそれを甘受するが、それが彼の最初の過ちだった……


この作品の感想をお寄せください。

2020年04月07日(火)14時17分 如月千怜  作者レス
藤谷要様、感想ありがとうございます。

本作は掲載したての時期は『今回は中々いいのが書けたな。ボリュームも短編作品では最高クラスだし、好評だといいな』みたいな、甘えたことを考えていました。
ただ最近は『ダメすぎるなこの作品』と思っています。

>>ラストの東地のシーンから察するに〜

はい、そちらについては藤谷様が考えている通りです。そしてそれが本シリーズのコンセプトのつもりです。
ただ彼の登場が遅いのは自分でも書いてて気になっていました。
登場した後も、もう一人の追加要因である蔵間真子が彼の役割を食ってしまっていました。そういう意味でもシリーズのコンセプトからずれているんですよね……

>>男子キャラが主人公が言うほど酷いことをしているように感じず、私の印象=主人公の印象というわけではなかったです。

今回登場した男子であるカイは私の思う「絶対に友達にしたくない人間」の一つのパターンを描いたものです。

>>逆に女子の好感があまりないですね……。

……マジですか? 美樹や奈波は性格がキツイから、受けない人には受けないと思いますけど瑞華もダメでしたか?
瑞華は次回作で主人公にしようかと検討しているキャラなんですけどね(汗)

>>特に泣かれるほど酷い態度ではなかった気がしました。

ここは見返したらかなり雑に書いてたなって思う部分です。
本作を執筆していた時、真子の「わー! それだったら私、みんなから敬語使ってもらえるね!!」のシーン辺りからどうやってシーンを展開するかのネタが尽きていたんですよね。
だからあんな雑な終わり方をしてしまいました(汗)
個人的にチャプター3の出来栄えは自分でも納得していません。
今後はこんなことにならないようにしたいです。

繰り返しになりますが感想ありがとうございました。

pass
2020年04月06日(月)19時10分 ふじたにかなめ 
先日は感想をありがとうございました!
感想返しにやってまいりました。

文章は読みやすかったです!
何が起きているのかも、分かりやすかったです。
だから、こういう出来事がありましたと、状況はきちんと伝わったと思います。
合コン、すごいカオスでしたね(;^ω^)

ただ、この話は何を書きたかった話なのか、話の趣旨が構成的に分かりづらさを感じました。

ラストの東地のシーンから察するに、たぶん後から合コンに追加された個性的な男(東地)の様子を周囲の人間の目を通して描き、読み手がその反応を楽しむ話だと思うんですが、その肝心の彼の登場が構成的に遅いために、そういう物語だと感じにくかったです。

もっと東地が話の中心だと分かるような構成や演出でも良かった気がしました。

あと、男子キャラが主人公が言うほど酷いことをしているように感じず、私の印象=主人公の印象というわけではなかったです。
特に泣かれるほど酷い態度ではなかった気がしました。
逆に女子の好感があまりないですね……。こっちがカオスの原因のような。ごめんなさい。

私は合コンじゃなくて会社の飲み会には行ったことはありますけど、他人がいる場所で不愛想で何も話さない人、もしくは自分の話しかしない人のほうが印象が悪いです。
他人にどうなの?って話を振ってくれたり聞いてくれたりするタイプは、むしろ私みたいな口下手にとってはありがたいです。

また、馴れ馴れしい男子って、あくまで私の印象ですが、女子にプライベートなことをどんどん聞きまくって距離を近づける感じの人でしょうか。
いきなり「どの辺に住んでいるの? あ、俺近くなんだ。今度会わない?」
「一人暮らし? へー、どんな部屋なの? 今度遊びに行っていい?」
「家族は? へー、弟がいるんだ。やっぱり、お姉ちゃんタイプだと思った。俺、実は上にお姉ちゃんがいるんだけど、スゲー感じが似ている! 是非、お姉ちゃんって呼ばせてください!」みたいな。あくまで個人の印象ですが。

色々と気になる点を書きましたが、あくまで個人の意見なので、合わないところは流してくださいね。
お互いに頑張りましょうね!
ではでは、失礼しました。
16

pass
2020年03月09日(月)17時40分 如月千怜  作者レス
神原様、感想ありがとうございます。

>>酷評なので、如月千怜さんがどう受け止めるかは分かりませんが

酷評自体は構いません。むしろ短編の間は厳しい人が少ないような気がしているので、そっちの方がありがたいです。
むしろ私はミッドナイトの時みたいな茶化した感想の方がよっぽど嫌です。あれは酷評されるよりよっぽど堪えました(汗)

>>これも前に行った事ですが、物語りの流れを作りましょう。やはりまだ出来ていないとしか思えない小説になっています。
>>始めは悪くなかったと思いますが、チャプター2からが悪いです。

実は書いている時もチャプター3の作りが少し雑だな……って思っていたんですよね。
でも実際はチャプター2の時点でほころびが出ていたのか……

>>読者は主人公達の気分の悪い状況を見せられ続けて楽しいと思うかどうか、これを考えてください。

これはプロット段階から気がつくべきでしたね(汗)
実はと言うと、本作は執筆する前から不安要素を抱えて執筆していたんです。
箇条書きにするとこうなります。

・バッドエンド確定のプロットだけど面白い話になるのか
・シリーズ全体の主人公である洋久の出番が遅いけど、影が薄いとか言われないだろうか
・登場人物が9人と滅茶苦茶多いけど扱い切れるのだろうか
・学食編と比べたら洋久がヘタレてるけど、シリーズのコンセプトがぶれてないだろうか

……恐らくこの返信を読んでいる多くの方が『そんなに不安要素があったならなんで執筆した』と思われていることでしょう(汗)
でも私は一度作ったプロットは極力書き上げるようにするべき、と考えているので強行しました。
ちなみに今回失敗した原因が共通している作品があるんですよね。同じ失敗をした作品はよりによって作者コメントでも自虐した夜想曲編です。
夜想曲編は自分でも『これ本当に掲載していいのか?』と思っていた作品です。
今回は書きあがった後、少なくとも自分では『書く前は不安だったけど、結構悪くないな』と思っていたので、夜想曲編と同じ失敗を繰り返しているということに気がつけませんでした。
まさか夜想曲編の汚名返上を目標にして執筆した本作が、自分でも気がつかない間に同じ失敗をしていたとは……

・説明多すぎの件について

チャプター2の一部抜粋だけでこんなに指摘があるのか……
短編の間に掲載した作品は評価が安定していることが多かったのですが、今回はそれに陰りが出てますね。
今のところ短編の間に掲載した作品全てに感想をつけている方が一人いるのですが、その人は前作と前々作に20点をつけて頂いたのですよね。
ところが本作の評価はまた10点に下がってしまったので、「あれ、もしかしてやらかした?」と不安になっていたのですが、神原様の評価で完全に目が覚めました。
思い上がりに気が付かせてくれてありがとうございます。

>>次に細かい処で、他の人も言っている(主人公も最初から不安だったと言っている)元もと3人だったとして、この合コンは無理だったと思います。

……まあ、そうでしょうね。日暮れ様の返信にも書きましたが、良くてケンの一人勝ちが限界でしょう(汗)
まあケンが主人公の物語と考えたら、こういう一人勝ち展開は意外と悪くないような気もしますが。
ケン以外の二人は順当に地雷でしたけど、その中に洋久という最高級のツァーリ・ボンバが来てしまったのは報われないですねえ……

>>幼馴染が二人を気に入らないのは合わせるまでもなく分かるだろうし、主人公がもっと二人に前もって注意していていいと思います。

これに関して若干言い訳みたいな感じになるかもしれませんが、私の考察ではそもそも美樹は最初から期待していなかったと思います。
それでも主人公はもっと作法に関する教育をするべきだったでしょうけどね(汗)
本作は男子の視点から物語が進んでいたので、女子グループの心理描写が弱くなっていたので……一人称で書くにはキャラクターの数が多すぎたかなと思います。
私は女子グループの心理描写も書きたかったので、今作は三人称で書いた方が良かったかなとも思います。

(ちなみにチャプターexだけが三人称なのは洋久の一人称で書いた夜想曲編が不評だったからです。ようはジンクス的な問題です)

ただ厳しい評価をされることの多い神原様に『始めは悪くなかった』と評価して頂いたことを考えたら掌編の間に掲載した作品よりは進歩しているのかなとも思います。

ちなみに他に掲載した三つの作品ですが、もし読みに行かれるおつもりなら先に注釈しておきますけど『ハイスクールディクテイター善彦』は正直オススメできないです。
鍛錬投稿室で感想を書いて下さった方からは比較的好評だったのですが、外部で講評しいていただいた方から大変不評でした。
内容も本作と同タイプのバッドエンドなので、恐らく神原様のお眼鏡にはかなわないのではないかなと思っています(汗)
他二作は……好き嫌いは分かれるかもしれませんが、文章の質は安定していると思います。

ただ、自分の中では比較的起承転結を意識したミッドナイトが「今までで一番ダメだった」と言われている(と、私は読み取っています)ことを考えると、神原様を満足させれる作品を書ける自信がなくなってきますね……
自分の中ではミッドナイトは『掌編の作品では最高傑作(点数は一番賛否両論だけど)』と思っていたので……実際はミッドナイト以外の三作がゴミすぎるというのが真相ですけどね(汗)

ためになる感想をありがとうございます。

追記

余談ですがこの合コン編は続編を作るつもりです。
内容としては、本作で不幸になってしまった瑞華が報われるような話を書こうかなと思っています。
ですので本作は大学生シリーズの正史に残すつもりです(夜想曲編は黒歴史になりました)

pass
2020年03月09日(月)12時51分 神原  0点
こんにちは、感想返しにきました。

酷評なので、如月千怜さんがどう受け止めるかは分かりませんが、一時間以上感想にかけています。もしも、要らない感想だと思ったら、無視してくれてかまいません。


ここの様に物語を説明してしまう癖がたまに出ています。こういう部分は物語で消化しましょう。↓ 説明にならずに相手に伝える様に書く癖を。

≫今の時代スマホは必需品と言っても過言ではない。それを長期間没収されるという精神的苦痛がどれほど苦しいかは現代人なら容易に想像がつくはず。
 だがこいつはプライバシーを侵害する代わりに没収を短くしてやる、という提案をしている。耐え難い二種の苦痛を掲示し、どちらを受けるかを選べと言っているのだ。≪

全編を通して、かなりの量、説明に文字が割かれています。こういうのは描写などで表した方が良いです。以前言ったかどうかは忘れましたが、読者が一番読んでいて面白くないと感じるのが説明です。

最低限の説明は必要になってきますが、それ以外は動いている文で表すようにしましょう。


一部抜粋↓

≫――合コン当日。集合場所の京橋駅へ向かう。改札口を出ると友人二人が待っていた。
「カイ、ソージ!」
「おお、ケン! 待ってたぜ!!」
 呼びかけるとまずカイが振り向いた。カイとソージは高校からの同級生。同じサッカー部に入っていた。
「メンバーがそろうまで待てばいいんだな?」
 ソージも返事をする。少しぶっきらぼうな奴だけど、合コンだからか今日は嬉しそうだ。
「しかしよー、女の子増えるのはいいんだけどさー。なんで男まで増やさないといけないんだよー。ライバルが増えるじゃねえか」
 カイの軽口。こいつはソージと違ってお調子者って奴だ。
 まあ言いたいことはわかるけど。それでも女の子達からしたら公平な条件でやりたいのが当然だし、カイの主張を受け入れる訳にもいかない。俺は幹事だから尚更だ。≪



――合コン当日。集合場所の京都駅を降り、改札口を出た処で二人が待っていた。(ここは京都駅に向かい、次の文で改札口に場面が変わるのを繋げました。また、友人と待ち合わせしている事は前もって分かっている事柄なので友人を省略)

「カイ、ソージ!」
「おお、ケン! 待ってたぜ!!」
 カイが振り向く。カイとソージは高校からの同級生。同じサッカー部に入っていた。
(呼びかけているのは会話文で分かっています、説明が多いと言うのはこう言う部分も指します。省略しても何ら問題がありません)

「メンバーがそろうまで待てばいいんだな?」
 ソージが応える。少しぶっきらぼうな奴だけど、合コンだからか今日は嬉しそうだ。
(返事をする、だとそのまま説明になってしまいます。少し変えたくらいですが、もう少し考えてもいい部分)

「しかしよー、女の子増えるのはいいんだけどさー。なんで男まで増やさないといけないんだよー。ライバルが増えるじゃねえか」
 こいつはソージと違ってお調子者だ。
(登場人物の言動に一つ一つ軽口とか返事とか入れるのはやめましょう。そのままで伝わります。)

 まあ言いたいことはわかるけど。それでも女の子達からしたら公平な条件でやりたいだろうしな、カイの主張を受け入れる訳にはいかない。俺は幹事だから尚更だ。
(なぜここを直したかと言うと、一人称は主人公の心の中の言葉が地の文です。〜だし、〜。と言う文は〜だから、と説明する為の文章だからここは少しだけ変えました。〜だろうしな(主人公の感想へ))
≪<

ここまで抜粋していかに説明が多いか実感できると思います。これが全編を通して行われているのがこの作品です。


次にこれも前に行った事ですが、物語りの流れを作りましょう。やはりまだ出来ていないとしか思えない小説になっています。

ハッピーエンドなら最後が一番上がっている状態。でも、ずっと上がっている状態では面白くともなんともありません。上がっているとは、恋愛なら二人とも相手を思い思われ、これが延々と続く、こんな状態では物語とは言えません。最後が上がるなら、その直前は下がっていた方が盛り上がります。途中で盛り上げて、そして落とす、そこからどうやって挽回するか、と言う駆け引きが必要になってきます。

これが何度も言っている起承転結(一番簡単な物で起承転結)。上手くなっていくと、起承転転結とか序破急急など、色々な組み合わせを自ら生み出していきます。その前段階にまだ届いていない、これがこの小説を見て思った事。

起:物語の起こりとして、まず、主人公が合コンをするべく先生とのやり取りを通ぢて始まります。

承:6人がそろい自己紹介。全員が揃うまで。

承がもう一つある:全員がそろい雰囲気が悪いまま終わりを迎える。

転:場面は変わり合コンの前へ、先生の意図が分かるが、これ必要? 東地君の言動で先生の意図は多分普通の人なら推し量れます。あえて書く必要はないかもしれない。

結:物語が結ばれていません。

始めは悪くなかったと思いますが、チャプター2からが悪いです。雰囲気の悪いままなのがどこかで挽回する事もなく、わるいままで終わらせる。山場も谷の何もなくこの小説が綴られている。読者は主人公達の気分の悪い状況を見せられ続けて楽しいと思うかどうか、これを考えてください。


次に細かい処で、他の人も言っている(主人公も最初から不安だったと言っている)元もと3人だったとして、この合コンは無理だったと思います。幼馴染が二人を気に入らないのは合わせるまでもなく分かるだろうし、主人公がもっと二人に前もって注意していていいと思います。


以上から私は普通です、と点数評価なしで迷いましたが、普通です。を置いていこうと思います。これからもがんばってください。
13

pass
2020年03月02日(月)17時39分 如月千怜  作者レス
相原様

感想ありがとうございます。返信が遅れて申し訳ありません。
そして高得点を下さりありがとうございます。
確かにオチは弱かったですね……洋久独自の思惑を描けなかったのは反省点です(汗)

日暮れ様

いつもお世話になっております。今回も的確なご指摘ですね……点数が前二作と比べて下がったってことは、質が落ちたってことか(汗)
ちなみにこのシリーズは一話完結形式で進める方針でいますので、独立した一つの完結作品として考えて感想を書いていただいて構いません。むしろ私としてはそうしてほしいくらいです。
いわゆるサザエさん方式ってやつです。だから洋久は永遠に大学四年生です。
(別の作品にカメオ出演する場合は年齢が変わるかもしれませんが……)

>>私は合コンなるものに参加した経験がないのですが、こうまで殺伐とした感じになることがあるかと思うと、恐ろしい……

合コンに行ったことがない人に不安を植え付ける……我ながら恐ろしいものを執筆してしまいましたな(汗)

>>失敗に終わったのは東地さんのせい、みたいな雰囲気になりましたが、東地さんが居なくても無傷では済まない合コンになったのでは?と読みながら思った。

これに関しては洋久よりも真子の方が大きな起爆剤だったんじゃないかなと思います。
真子がわがままを言わなければ洋久は最初から出席せずに済んだので……
まあカイがいるだけでも不安は残るメンツですよね……
ちなみに作者の見解では、洋久と真子がいないとこうなると思います。

ケン:他二人の無礼をダシに瑞華ちゃんをゲットできる可能性あり。
カイ:この場合でもお付き合いは絶対に無理でしょうね。
ソージ:うまく立ち回ったらカイよりは可能性がある。でも瑞華とは相性が悪そう……
美樹:多分収穫なし。そもそもお付き合いに関してはついで程度しか考えていないのかも。
奈波:消去法でケンにアタックすると思う。二枚抜きなるか、ケン?
瑞華:ケンにゲットされなかったら収穫なし。でも本編よりは不幸にならないと思う。


>>なので、この一文には激しく同意してしまった(笑)ソージは決して悪くはなかったのに。あと主人公もか。
>>読者がどう感じているのかを予測して本文に活かす手法は、作者様の上手なところだと思います。(これは今作に限らずに言えます)

なんだかんだで一人称の視点人物は常識人ばかりなんですよね。
たまには洋久や真子みたいなキャラの電波な語りを書いてみたいな、と思ったりもしますが……まあやってみたらすごく疲れるんだろうなぁ……

・誤字とか文法ミスとかについて

うわ、三つもやらかしたのか。短編だと多分最多のやらかしじゃないですかな(汗)
実は掲載する前に修正した誤字もあったんですけどね……元の原稿どんだけミスがあったんだよ俺のバカヤロー。

>>内容に関しては、正直に言ってしまうと微妙でした。どこにスポットを当てて描きたいのかが伝わってこなかったです。

まずキャラの数を増やしすぎたのが最大の原因でしょうね。
自分でもプロット段階から「キャラ多すぎだろ扱いきれるのか」と不安になっていたんですが……やっぱりダメでしたか。

>>チャプターexで一気に『東地洋久のサイドストーリー』感が出てきましたが、にしては東地洋久は受け身であることが多くて表面的な人物像しか見えてこなかった気がします。
>>どうせならもっと東地洋久が葛藤する場面を読んでみたかったと思います。

一応私は洋久を「誰にもこびないある意味誰よりも男らしい男(初期の山岡士郎みたいな)」に書きたかったのですが、葛藤する姿も見てみたいという意見は選択肢に入れておきます。

>>合コンでそれぞれの男女の機微にスポットを当てるにしては、キャラの背景が見えないとどうしても人物の足元が浮いて見えてしまう。

四十枚に九人もキャラを詰め込んだ結果がこれです……合コンはキャラ数が増えるので扱いにくい素材ですねえ……
ちなみに「洋久のサイドストーリー」という意見に関しては日暮れ様の見解通りです(汗)

>>大学の教授が受講生から私物(スマホ)を奪おうとするのは、有り得ない行為だと思います。

これですが私の卒業した高校では本当にこんな先生がいました(汗)

>>最後に母に電話するオチですが、私が鈍いせいか、どういう意図か分かりかねました。

これは……言われてみればいらない描写かも(汗)
ちなみに洋久は母親に作法とかの相談をしてもらおうと思って電話したのだと思います。

最後に繰り返しになりますが、お二人共感想ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

pass
2020年03月02日(月)06時05分 日暮れ  +10点
拝読しましたので感想をおいていきます。
最初に断りを入れておきますが、シリーズ物ということですが、私は独立した一つの完結作品として考えて感想を書いております。

私は合コンなるものに参加した経験がないのですが、こうまで殺伐とした感じになることがあるかと思うと、恐ろしい……
カイの嫌われ行動はある種の才能ですな(褒め言葉)
失敗に終わったのは東地さんのせい、みたいな雰囲気になりましたが、東地さんが居なくても無傷では済まない合コンになったのでは?と読みながら思った。
>カイは自業自得として、自分をアピールできなかったソージは不憫だった。多分男子の中では一番の被害者だと思う。
なので、この一文には激しく同意してしまった(笑)ソージは決して悪くはなかったのに。あと主人公もか。
読者がどう感じているのかを予測して本文に活かす手法は、作者様の上手なところだと思います。(これは今作に限らずに言えます)

あとはそう、ちょいちょい入る地の文でのツッコミも面白くてよかったです。
>というかカイ、お前はスポーツの話題しかできないのか。
とかね。

文章に関しては、基本が出来てきているように思いました。あとは書きながら語彙を増やしていけば自然に上達していく気がします。
他サイトでも掲載されているということなので、気になった文章もチクチク書いておきます。

>補充要因
『要因』ではなく『要員』ですね。また、『補充要員』=『補充を行う人』の意味なので、ちょっと合ってない感じです。
補充という単語にも違和感を覚えます。補充は『補って元の十分な状態に戻す』場合に使います。
たとえば、欠員者が出たので補う、という場合や、減った在庫を満たす、という場合に使います。
今回は『新たに一人必要になったので増やす』ということなので、『追加』という単語が相応しいかと思います。
単純に置き換えると変な本文になってしまうので、私なら、補充要員⇒新たな参加者、補充⇒追加、とすると思います。あくまでも参考までに。

>美樹も表情に機嫌が現れ始めた。
現れ⇒表れ、ですね。『表情』と『表れ』で表現が被るので、表情⇒顔色、としてみるのはいかがでしょうか。

>補足するように条件をつけ足す。
こちらも、補足と足す、で意味が被ります。私なら『補うように条件をつけ足す』とすると思います。

内容に関しては、正直に言ってしまうと微妙でした。
どこにスポットを当てて描きたいのかが伝わってこなかったです。

チャプターexで一気に『東地洋久のサイドストーリー』感が出てきましたが、にしては東地洋久は受け身であることが多くて表面的な人物像しか見えてこなかった気がします。
どうせならもっと東地洋久が葛藤する場面を読んでみたかったと思います。

合コンでそれぞれの男女の機微にスポットを当てるにしては、キャラの背景が見えないとどうしても人物の足元が浮いて見えてしまう。せめて主人公の背景(合コンに対する強い動機などでも)があれば良かったのになと思いました。

>それから後、俺は美樹ともカイ達とも疎遠になった。昨日まではあんなに仲良かったのにな。俺は一体いつ、どこで間違えたんだろうか。
ここで突き放されたような気がしてすこし寂しくなりました。
(御作はやっぱり『東地洋久のサイドストーリー』という側面で描きたかったのかな、とここで再度思いました。タイトルもそんな感じですしね)

あと根幹を揺るがしかねない部分になりますが、
大学の教授が受講生から私物(スマホ)を奪おうとするのは、有り得ない行為だと思います。せいぜい講義中に弄る生徒を注意する程度でしょう。

最後に母に電話するオチですが、私が鈍いせいか、どういう意図か分かりかねました。理解できなかったのは私だけか……?

総評。
文章面ではプラス点です。内容は、もう一つか二つ面白くなるような仕組みが欲しかったです。
ではでは〜
18

pass
2020年02月26日(水)21時55分 相原  +40点
拝読しました。大変面白かったです。

それぞれのキャラクターも立っていましたし、展開も道化役が盛り上げて、最後まで飽きなく楽しめました。
最後のオチについては多少弱いかなと思いました(事前に「教授に誘われて仕方なく来た」という動機がそのまま記されているだけだったので。ここで洋久独自の参加動機があれば面白かったかなと思います)。

短い感想ですが、今後ともシリーズを楽しみにしています。
15

pass
合計 4人 50点


お名前
E-Mail  公開しない公開する
↑作者レスをする場合は、作品投稿時のメールアドレスを入力して下さい。
−− メッセージ −−
作者レス
評価する
 PASSWORD(必須)  トリップ 

<<一覧に戻る || ページ最上部へ
作品の編集・削除
PASSWORD