大好き、だった。
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雨が降っていた。

少女はふいに出掛けたくなって歩き出した。

向かう先はいつもと同じ。

いつもと違ったのは、

「さ、くら。」

もういないはずの親友、いや好きだった女の子がいたこと。

告白もした。保留だったけど。

こちらを見ていた。

どうして、と思うが声にならない

好き。好き。好き。

あなたは、私を庇って車に轢かれて死んでしまった愛おしい人。

さくらは、動けなくなった私に近寄り囁いた。

「私も好きだったよ」

ハッと振り向くがそこにもうさくらは、いなかった。

かわりに桜吹雪があった。気づけば雨はやんでいて桜は満開だった。

あぁ、もう春なのか。

春は好きだ。あの子の名前の花が咲くから。

それはきっと変わらない。

「さよなら。」

ずっと大好きだった人。

誰かの気持ちは私を強くする。

たとえそれがもう過去形で、手に入らないものだとしても。

少女は歩き出した。












卯月伊織 pueTX.63pU

2023年04月30日(日)15時01分 公開
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思いつきですいません


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