君と最後の桜 |
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部 |
私は昔の記憶が全く思えだせず、自分の名前すら忘れてしまった。生まれた日家族仲間やお相手など何もわからない状態だ。でも私のお相手と言っている方が3人いて私の招待を知っているらしい。 今警察の方々とお話をしている。ん?3人いて言い訳がない。普通は1人と看護師の方に教えてもらった。じゃあなぜ私のお相手は3人いるのか。 「コンコンコン。入りますよ。」 警察の方々が喋り出した。 「この方々の名前は、高村廉さん 笹川大輝さん 中村直樹さん と言う人達で皆さん一度結婚をして色々あって離婚をしているから3人結婚した人がいると言うことでした。」 (は....はい。) 今の私はなにかを思い出しそうで考えていたのだ。警察の方は話を進めた。 「で、あなたの名前は川越桜さんという〇〇会社の〇〇の部長とこの3人からは聞いている。そして今川越さんと結婚されている方はこの中では居ない。でもこの中なのでもしかしたら他のどこかで誰かと付き合っているかもしれないということです。」 それに続いて笹川という人が話し始めた。 「さくらちゃんの近くにこんなものが落ちてたんだけどこれさくらちゃんのかな?」 そんなものわかるはずないと思い見た。それは見た感じでは財布だった。 「あ。」 私はつい声を出してしまった。 「なにかわかったのか!?」 と中村という人は言った。 この財布は誰かはわからないが誰かと買い物に行った時に買った財布だ。財布についてるキーチェーンが私と誰かのお揃いで買ったのを思い出した。 それを伝えたら警察の方が 「刺激になるものを見せるといい効果になるかもしれない。後は見守ろう。」 その言葉を聞き部屋に居た人達は去っていった。 でも1人だけ部屋に残り財布を持ちながら私に話しかけようとしている人がいた。多分高村さんだ。 「あ..あの。この財布買った場所思い出せば色々わかるんじゃないでしょうか。」 「それ私に言うんじゃなくて警察の人に言った方がいいんじゃない。」 「でもそうしたら一緒に買った人もわかって色々いいでしょ。僕達は今何も知らな...」 [知らない]という言葉が一番嫌いだったのを思い出して私は思わず、 「知らないなんて言わない!!!!!!」 と言ってしまった。 (あ.どうしよう。この空気。) でも彼は動かず一言ボソっと喋った。何も聞き取れなかったがその後一緒に色々考えてくれた。 何処のメーカーか、何処で売ってるのか、どんぐらい使っているのか。など分析を高村さんはやっていた。多分分析が得意なんだろう。 だんだん夜になって来て高村さんは 「また今度。」 といい帰っていった。 今の季節は冬。夜は一段と寒くなる。雪積もるかななんて考えたりしたのかな。昔の私は何をしていたのか。こんなことを考えるより毎日書いていた日記を書こうかな。って日記!? 一瞬記憶が鮮明になって毎日書いていた日記のことについて思い出した。家の場所が分かれば日記もわかるはず。明日警察の方に伝えておこう。 次の日。私は昨日思い出したことを伝えた。そうしたら私を見つけてくださった方をお呼びしてくれることになり話を聞いた。 そうしたら〇〇市の〇〇というお店の前の川沿いに倒れてたと聞きその近くで誰か知らない?と言ったら最後に離婚した中村さんが私の家をもしかしたら知ってるかもということになったのでそこに行くことにした。 そうしたら家は立派な家で庭には木が植えてあった。家は白色を基調としたベージュなど色々ないろをつかわれていたすごい家だった。 「俺が桜と付き合ってた時はこの家じゃなかったけど土地は同じだし名前も同じなんだよな。多分ここであってると思うけど。」 あ〜。あの人と一緒にいっぱい悩んでこの家買ったな〜。ここに桜の木植えて春になったら一緒に植えたんだっけな〜。懐かしいな。ってあ! 「少し思い出しました。ここで誰かと一緒に桜の木植えたんです。春になったら元気いっぱいに咲いた桜の木を一緒に見ようね。って。」 これは少しずつ思い出しているのか。誰かのことを思い出せたらいいんだけどな。 「もしかしたらここに名前が2つ書いてあるからこの人と一緒に住んでたんじゃない?」 笹川さんがそう言った。 笹川さんの言う通り2つ名前が書いてあった。1つ目は「桜」2つ目が「大和」そして私の名字は「川越」そうしたら大和という人は彼、結婚相手ということなのか。 もっと知りたいなと思った。 「じゃあ調べてみましょうか。川越大和さんについて。」 警察の方はそう言ってスマホから部下に連絡を入れていた。 そして日が過ぎ、1週間が経った。部屋に警察の方が2人と3人の元夫が入ってきた。 警察の方の1人が話し始めた。 「大和さんという方は...3ヶ月前に事故で亡くなっています。〇〇会社の〇〇の本部長であり、桜さんの先輩です。庭に植えていた桜の木は大和さんあなたの今の旦那さんと一緒に植えたのでしょう。」 私は警察の方の話を聞いた後全てを思い出し、ベットの上でメイクが崩れるまで泣いていました。 あの桜の木を春になったら一緒に見ようと約束した夢は叶わなかった。 |
ぱろん jJ.UZ9MxqY http://paron kimitosaigonosakura sakuranoyukihatumorunoka. 2023年01月11日(水)14時08分 公開 ■この作品の著作権はぱろんさんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
この作品の感想をお寄せください。 |
---|
2023年01月20日(金)08時29分 | R | +20点 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
とてもハートフルでした‼
|
合計 | 1人 | 20点 |
作品の編集・削除 |