私とあなたの日記
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何もない。何も知らない。そんなわけない。あなたを見て私は叫んだ。
    1日目
 日記を書くことにした。何気ないことを書き込めばどんなところを直せばいいか、自身の欠点が見つかるかと思い書くことにした。相変わらず温度のこもった部屋は年中問わず私の体にまとわり続ける。目の前にはあなたがいていつもと変わらず寝ている。かわいそうに彼女は病弱でいつも私が面倒を見ている。それにこの子の両親は虐待をしていたらし。ほんとにかわいそうだ。
「はいこれ、ゼリー。いる?」
「・・・。」
「ここに置いとくね。」
 こんな感じでいつも黙ってる。話しかけても顔を向けるだけで全然笑ってくれない。いつもと変わらない。すぐ変わってくれることないもんね
    2日目
 今日は学校がある。あなたは不登校で行けるわけないから代わりに私が勉強を教えてあげている。仕方ないことだもの。彼女はずっといじめられていてその結果不登校になったんだから。本当に許せない。
   ーーガチャっ。
ドアを開けると、あの子がこっちを見てきた。不満そうな顔をして私を見てくるあの子は教室に木霊すように舌打ちをした。
    3日目
 今日はあなたとお買い物に行く。あなたはお転婆だからすぐ走ってどこか行っちゃう。だけど家に閉じこもっていたのだからすぐ転んじゃう。そのせいか、体全体に切り傷や擦り傷がある。走らないでって何度も言ってるのに走ってしまう。少しくらい私の言う事きてもいいのに・・・。本当に・・・。
 そんなことを思っていると、路地裏にあるさびれた無人販売所に来た。
「なにか欲しいもの、ある?」そう、聞くとあなたは乾いた声で、
「・・・魚、焼き魚。」
「焼き魚好きなんだ。じゃあ一生懸命作るね。」
    4日目
 とても気分がいい。あなたがいつもとは違い、従順に従ってくれる。うれしくてつい焼き魚をたくさんつくっちゃった。すると玄関からコンコンと、ノックがあったインターフォンごしに見ると警察がいた。すると警察が小さな声で、
「今日も応答なしか。」
「そうですね、ここ近辺で行方不明者の井坂さんらしき人がいたとの情報が何件も来ている。遅かれ早かれ今週の日曜日には自宅捜査を警部も許可出すだろう。」
その言葉を聞いた瞬間私は、鬼の形相であなたの部屋に入った。
「なんで警察にばれているの?」私はつい怒鳴ってあなたの頭部や腹部を調理台にあったフライパンで叩いた。
 何時間たったのだろう。気がついて下を見ると、いつものように病弱で寝たきりのようにみえる、横たわったあなた。本当にかわいそうだ。本当に・・・。
    5日目
 言うことを聞かないし学習能力もないあなたを部屋に閉じ込めた後は捜査されてもわからないよう部屋全体にカモフラージュをした。きっとあなたをイジメた子があなたを私が助けたから不満に思ってつうほうしたんだわ。許せない。これが終わったら排除しなくちゃ。私とあなたの2人だけの世界を邪魔する奴は全員消さなきゃ・・・。
    6日目
 あなたをこの家に永遠にとどめるために、最後のものを手に入れた。これですべてが終わる。その時だった。自宅の近くにたくさんのパトカーがある。まさか、と思い私は電柱の陰に隠れ警察の会話をきいていた。
「どうですか。いましたかね。」
「いや。今のところは。だが少し気になるところがあってね。あそこの壁と調理場の横のかべ、ほんの少しだが色合いが違くないか?」
「調べてみます?」
まずい。あそこにはあなたの部屋が・・・。するとその壁を削る作業が始まった。ただただ時間が過ぎ焦りが伴っていく。すると、
「開けられました。しかし、人はいません。」
「何?」
「ですが、あの棚付近に穴が開いています。」
「そこから逃げだせたのか。」
「いいえ、到底男子高校生が抜け出せるような穴じゃありません。」
「じゃあ、住民の通報は間違いということか?」
すると警察は諦めたのか20分後帰ってくれた。ひとまず安心したが、それと同時に不安が私の心臓を握る。あなたはどこに行ったの?私は心配したのよ。いったいどこに?きっとそうよね私が警察に捕まってほしくないから、自分で穴を掘って逃げ出したのね。そういうことよね。そう解釈すると気持ちがプラスになってきた。しかし一向に見つからない。自宅に帰ってもいつ警察が来るかわからない。しかたない。しばらくは裏路地にある無人販売所の食べ物を食べるか・・・。
 そんなことを考えていると、目の前に見覚えのある人影があった。それはあなただった。段々と私に近づいてくる。そんなに会いたかったのかと、私も手を広げ目をつぶり抱きしめるポーズをした。抱き着くと少し冷たい感触とともに痛みが私を襲った。あまりの痛さに目を開けるとそこには赤黒く染められた刃が夕日によってそめられていた。
「なんで?何で刺したの?私はあなたのために・・・。」
するとあなたは言った。
「復讐だよ。このイカレ女が。」
そう言い彼は裏路地から去っていった。わかってた。すべて自身の自己満足だったことくらい。でもいい。私は最愛のあなたに殺されたのだから。
 今まで報われなかった。あなたに彼女がいて、でも諦めきれなくて、彼女をいじめて、中退させて、でも振り向いてくれなかった。だからイジメた。あなたのことをでもあなたは私を頼らずはむかってきた。でも無念は晴らせた。悔いはない
「ありがとう」あなたが去った方向に言葉を放った。その遺言はだれにも伝わることもなく私は夕暮れとともに散った。
    7日目
 俺は捕まった。監禁されていたとはいえ、人を殺した。復讐とはいえ自分が怖い本当に、いつかまた人を殺してしまうのが怖い。だからこそ私は決断した。すべての物語を終わらすために・・・。今日ここで決着をつけるため。すべてにさよならをするため
kaworu 
http://nikki
2022年12月14日(水)21時04分 公開
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■作者からのメッセージ
暇だったので書いてみました。初めて書いたので至らない部分もあると思いますのでアドバイスお願いします。


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