変態医者 |
<<一覧に戻る | 作者コメント | 感想・批評 | ページ最下部 |
「ごめんね。君を診察するのが僕みたいな医者の卵で」 内科医が申し訳なさそうに言うと、患者の少女は「私は先生が良いんです! 先生に診てもらいたいんです!」と強い口調で言った。 内科医はずっと悩んでいた。未熟な自分と、真の医者と変態の間で。僕は変態になって良いのだろうか? いや果たしてなれるのだろうか。いやなれる。僕は変態医者になれる。僕は変態医者になりたいんだ! 気づいたら内科医は「はぁはぁ」と興奮していた。 「先生。大丈夫ですか?」 少女が上目遣いで僕に言う。 この少女は僕の事をこんなにも医者として信頼してくれている。変態医者になるならこの少女がきっかけでなりたい! 内科医は強く思った。 「ふ、服を脱いでごらん。はぁはぁ」 「は、はい」 少女は恥ずかしそうに服を脱ぎ始めた。 その時だった。内科医が鼻血を出し股間が膨らみ始めた後、床に倒れてしまった。 「せ、先生! 先生!?」 少女は困惑し気絶している先生に呼びかけた。 それを見ていた看護師が「大変だわ」と言って別の医者を呼びに行った。 しばらくすると、看護師が連れて来た外科医がやって来て、内科医を見下ろす。 「素晴らしい。君もようやく医者の卵から真の医者になれるのだね」 変態外科医は目を潤ませ感動した様子で内科医を見下ろしていた。 内科医は蛹が蝶になる様に変態の準備に入った。 この世界ではどんなに素質があっても変態していない医者は医者の卵として扱われる。変態する事で腕が2本から4本になり、目の構造も変わり、診断や外科などの能力がぐんと上がるのだ。 「先生はこれからどうなるのですか?」 少女は心配そうに聞いた。 「これから先生はね。変態するんだよ。見た目は今までとはちょっぴり変わるけど、今までより更に立派な医者になる為の準備に入ったんだ。変態するきっかけって言うのは使命感を強く持った時に始まる事が多いんだ。君のおかげだよ。君が先生を変態医者にしてくれたんだよ」 少女は鼻血を流し、股間が膨らませながら気絶している、これから変態医者になるであろう医者を見ながら、少し恥ずかしそうにそして嬉しそうに笑ったのであった。 |
鏡ミラー 2022年10月16日(日)07時09分 公開 ■この作品の著作権は鏡ミラーさんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
この作品の感想をお寄せください。 |
---|
2022年10月16日(日)22時47分 | 鏡ミラー | 作者レス | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
壁のでっぱりさん、こんばんは。 上手い具合に変態騙しが成功していたなら嬉しいです。朝方ふと思い付いて書いたのですが、客観的にはどうなのだろうかと思って心配していたのですが、冒頭が良かったと結構笑ったとの事で嬉しいです。書いて良かったです。 ちょっと前まで執筆を離れていて、精神的にちょっと不安定で寝られ無い時は睡眠導入剤飲んだりする事も稀にあり、最近また書き始めたのですが、書いていると書いていない時より日常の充実感がある気がするので、また少しずつ書き始めてみようかなと言う気力が湧いてきました。 豆腐メンタルなので、赤点を付けられると落ち込むので、点数評価はこれから無し設定で書いていくつもりです。注射も苦手でこの前血を採られた時は看護師さんに苦手だと伝えたら、横向いていてって言われて血を採りました。それぐらい(?)自分に降りかかる赤系は苦手です。話が逸れましたが、良作との事で嬉しい限りです。自分は褒められて伸びるタイプと同時に、褒められすぎると、調子に乗って階段から足を踏み外して下に落ちるタイプでもあると思うので、調子に乗らない様にご指摘頂いた鞭の部分は自分の中で取捨選択した上で直した方が良いと感じた場合は直せる様に少しでも努力して一歩一歩階段を登って行けたら良いなと思っています。 句読点の打ち方は仰る通り「少女は、」で打つか二つに文を分けた方が、読み返してみて良いと思いました。ご指摘下さりありがとうございます。 次回作の構想はまだ無いのですが、色々インプットする中で何か閃いたら投稿したいと思います。 ご感想ありがとうございました。 |
合計 | 1人 |
作品の編集・削除 |