泣かない少女は海が見える街を目指す
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 荷物をまとめて、夜が明ける前に集落を発った。
 砂漠を吹き抜ける風にくすんだ灰色の髪がなびく。少女は挑むような目つきで、どこまでも続く乾いた大地を見すえる。思い残しがないといえば嘘になるが、振り返りはしなかった。雨乞い師の娘としての十四年と三月を置き去りに、長い旅のはじめの一歩を踏み出す。
 砂が入り込まないようにぎゅっと結んだ長靴を振り上げ、大胆な足取りでずんずんと進んでいく。昨日からずっと耳元でうるさくしていた理性の妖精が、ついにため息まじりの捨て台詞を吐いた。
 あーあ、もうあんたおしまいね。……ま、どうせ出来損ないだもの。せいぜいからからのミイラになって、人知れず朽ち果てるといいわ。
 無視。
 妖精は呆れたような横目を残してどこかに飛び去っていき、少女は汗ばんだ額を手の甲でぐいと拭う。
 もう二度とそのツラ見せるなよ、と頭の片隅で思う。負け犬根性の染みついた弱気の虫とはこれでサヨナラだ。生まれてこの方、これほど清々しい気分だったことはない。 
 心が軽くなれば身体も軽くなる。このままどこまででも歩いていけそうな気がした。あふれ出すエネルギーを振りまくように、両手を広げてその場でくるりと一回転する。
 砂と岩ばかりの退屈な景色が、まるで新鮮なキャンバスのように見えてくる。古くさい檻を抜け出したいま、目の前に広がるのは涙がにじむほどまばゆい可能性だ。
 空が白みはじめる。
 雲ひとつない青空を振りあおぎ、これまで無駄にしてしまった時間に思いを馳せる。
 誰かを恨む気持ちはない。父は尊敬される立派な雨乞い師だし、母は父の伴侶に相応しい素晴らしい女性だ。父の才能も母の美貌も受け継がなかったのは確かに運が悪かった。が、隣に住んでいた駱駝飼いの老夫婦にしろ、数少ない同じ年ごろの子供たちにしろ、暇つぶしや憂さ晴らしや気まぐれで嫌がらせをしていたわけではまさかあるまい。みんなの期待に応えられなかった、ただそれだけのことだ。
 しかし、誰もいない砂漠に佇んで空を見ながら、少女はこうも思うのだ。
 すべては取るに足らない幻想だったのではないか。
 地上を白く灼きはじめたあの太陽を見るがいい。
 ちっぽけの人間のごときが現実から目を背けて祈り続けたり、から元気を振り絞って井戸の周りで跳ね回ったりすることで、あんなものをどうこうできるとは思えない。世代を重ねて脳みその芯まで日焼けしたせいで、そんな突拍子もない考えがまかり通るようになったのかもしれない。
 ——どっちでもいい。それもこれも今日でおしまいだ。
 輪郭が歪むほどに揺らめく陽炎の中を歩きながら、少女はかすかな笑みさえ浮かべる。広大な砂漠をひたゆくその小さな背中に、悲壮な雰囲気はまるでない。
 涙はとっくの昔に枯れ果て、あとは振り返らず、ひたすら前に進むのみ。


 太陽がてっぺんまで昇りつめ、渇いた空気を幾重にも歪ませながら地上を舐める。汗だくで目も開けていられない。本能的に日差しからの遮蔽物を求め、ふらふらと蛇行した足跡を刻んでいく。
 緩やかな砂丘のふもとにできたわずかな影の中に滑り込んだ。
 それでも足元の地面は鞄を下にしないと直では座れないほど熱かったが、かまどのような熱気から逃れられるだけで十分にありがたい。
 ひと休み。
 喉や肺がやけないように浅く呼吸しながら、尻の下に敷いた鞄をがさごぞとあさる。山羊の皮と胃でできた水筒を引っ張り出し、ちびちびと舐めるようにして喉を湿らせた。
 オアシスとはいかないまでもサボテンのひとつでもあればいいのに。
 少女はしばし物欲しげな顔で手にした水筒をじっと見つめ、それから口を固くしばって鞄の中に放り込んだ。
 ゆっくりと顔を上げる。いかにも頼りない足跡は、いくらも進まないうちに容赦のない日差しに炙られ、気まぐれな風に晒されてかき消される。
 砂漠には道もなければ果てもない。
 旅人が目の当たりにするのは、ひたすらに単調に続く景色と、願望が入り混じった白昼夢だけだ。
 海辺の街。
 男はふらりと集落にやってきて、気づいたときにはいなくなっていた。少女はまだおとぎ話と現実の区別もつかないほどに幼かったし、そのときの状況も詳しくは思い出せない。が、受け売りの記憶と長年の妄想がごちゃ混ぜになった海辺の街の風景は、今でもふとした拍子に少女の心を捉えることがある。
 赤い煉瓦の家が立ちならぶ通りを、人々や馬車が忙しなく行き交っている。街の中心には象徴的な時計塔があって、ひと抱えもある鐘が時刻を告げるたび、手に取れそうな巨大な雲を背景に海鳥たちが一斉に飛び立つ。
 休むことなく沖へと漕ぎ出していく大小さまざまな船の舳先に括り付けられているのは、どうか雨風が訪れませんようにと祈り微笑む女神の像だ。
 砂漠の真ん中に取り残された集落では役立たずの自分でも、ほかの場所では誰かに必要とされることがあるのかもしれない。
 あごを伝う汗の感触にふと我に返った。
 膝に手をついて、ゆっくりと立ち上がる。丘の上からあたりを見回し、特に根拠もなく進む方角を決めた。
 つまるところ少女にとって、向こうになにがあるかはそれほど重要ではないのかもしれない。


 日が沈むまでは歩き続けようと決めていた。
 意識がぼうっとしていたので、いつのまにか半ば地平線に潜っている夕日があたりの景色を染めていることにも気づかなかった。少女ははたりと足を止め、なだらかに連なる砂丘に陰影を投げかけるオレンジの揺らめきにしばし魅入られる。
 砂漠の夜。
 もとよりろくな野営道具など持ち出していなかったが、たとえあったとしても今はなにをするのも億劫だった。ブランケットに包まって、その場でごろりと横になる。薄べったい乾燥肉をかじり、適当にばら撒いたような星空を眺める。
 そのうち寄る辺のない風景に天地の感覚が消失する。力なく横たわっているだけの自分の身体が、いまにも真っ黒な虚空に向かって落ちていく気がする。
 死ぬほど疲れているのになぜか睡魔は一向に襲ってこなかった。しっかり休まなければと思えば思うほどに目は冴え、人が余計なことを考えつくのは決まってそういう時だ。
 この先には何もないのかもしれない。
 かつて住んでいた集落と住人たちが世界のすべてで、その外にはただ広大無辺な砂漠がずっと続いているのかもしれない。
 だとすれば自分はどこかに向かってるわけでもなく、元の場所から逃げ出したわけですらない。
 最初からそう言ってるのに、と妖精の声がささやく。
 あなたの本当の望みを教えてあげようか? 何を考えて地図もないのに集落を飛び出したりしたのか。どこかにたどり着けるなんて本気で思っていたのか。まさか。
 あなたは、本当は——
 その先を聞きたくない一心で、少女はついに意識を手放すことに成功する。幼な子のように丸くなり、嘘のように広がる砂漠の真ん中で夢のない眠りにつく。


 容赦のない朝がやってきて、少女はまた彷徨い始める。
 目を覚ました時には、太陽がすでに頭上高く昇っていた。日差しに焦がされながら呑気に眠りこけていたのが信じられない。耐えがたい喉の渇きを覚えて水筒を引っ張り出すが、意識が朦朧としている間に飲み干してしまったのか、寝ているうちに悪魔のような妖精が捨ててしまったのか、中身はまるっきりの空っぽだった。
 それでも行けるところまでは行こうと決めた。
 道なき道は続く。汗も涸れ果てた末に、もしかしたらみんなは本気で私のことを憎んでいたのかもしれない、と少女は思う。少なくとも、いま自分が雨雲のひとつも呼び出せない己が無力を呪っている程度には。
 もはやどれだけの距離を進んだのかもわからない。
 現実と白昼夢の境を行ったり来たりしているうちに、時間の感覚も完全に消失してしまった。
 ふと意識が戻ったとき、少女はもはや歩いてはいなかったし、立ってすらいなかった。視界はぼんやりと滲み、身動きもままならないのに不意に頭をもたげたのは、すぐそばにいる何者の存在を感じ取ったからだ。
 いつもの意地悪な妖精なんかではない。
 それとはまったくちがう。
 けれど、まるでずっとどこかから少女を見守っていたかのような、ひどく懐かしくてやさしい感じのする気配だった。

 ――誰かが泣いている。

 その正体をどうしても知りたいのに体が言うことを聞かない。聞きたいことも言いたいことも砂漠を埋め尽くすほどあるのに、何ひとつとして言葉にはならない。
 せめて顔を見れたらいいのに、と少女は思う。なにもかも投げ出したくなるような虚脱感に苛まれながらもそのことだけが心残りで、いつまでも往生際悪くあがき続ける。
 そして、

 こぼれ落ちた涙が頬を伝った。
 やっとの思いで体を起こし、地面にぺったりと座り込んだまま、少女は目をまん丸に見開いて雲ひとつないままの青空を見上げる。
 
 ――天泣。
 
 一粒、また一粒と落ちて来た滴は、やがて恵みの雨となって、乾いた大地に降り注ぐ。
 どこかで遠くで鐘がなるのを、少女は確かに聞いたと思う。
柊木なお 

2021年07月17日(土)21時36分 公開
■この作品の著作権は柊木なおさんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
長編の構想をこねくり回しているうちにやる気がどこかに行ってしまったので、久しぶりに掌編に取り組みました。解像度の高い文体を模索したつもりです。
ご指導のほどよろしくお願いします。


この作品の感想をお寄せください。

2021年09月18日(土)14時14分 柊木なお  作者レス
あ様

感想を残していただきありがとうございます。
自分の中では比較的調子の良い時の作品でした。伝わるように書くことの難しさを日々痛感していますが、少しでも気に入ってもらえたなら幸いです。

これからも精進いたします。
それでは。

pass
2021年09月15日(水)14時02分 あ 21HXMEajXQ +20点

 拝読しました。

 テンポの良い文章で、言葉選びや表現にセンスを感じました。
 特に最後の一文が好きです。

 他の方のように長文ではないですがご容赦ください。

 良かったです。
1

pass
2021年08月30日(月)12時29分 柊木なお  作者レス
はちす様

二回も読んでいただき、また感想まで書いていただき、ありがとうございます。
改めて自分でも読み返してみると、ちょっと散漫だなあ…と感じます。情報が多いのはともかく、読みづらいのは結局「伝えたいことがはっきりしてないから」なのでしょう。
それでも、少しでも楽しんでもらえたなら、これに勝る喜びはありません。
今後とも精進いたします。それでは。

pass
2021年08月29日(日)21時31分 はちす  +20点
拝読させていただきました。

面白かったです。
少女の心情が台詞でなく、情景等の描写を通して比喩的に表現されていて、非常に味わい深い作品だと思いました。

ただ、一読目は内容が頭に入ってこなかったです。おそらく台詞や行間があまりないため、テンポが単調で読んでいて強弱の付け方わからなかったからかな、と思います。
トータルで頭からもう一度読み直しましたが、二度目は一度目でどこに強弱をつければ良いかわかったので読みづらさは感じず、この作品の良さである少女の心情を比喩的に表現した情景描写を楽しむことができました。

総評として情報の多さから読みづらさはあるものの、それは言い換えれば読むこむほど味があるともいえるのかなと思いました。

執筆お疲れさまでした。読んでいて楽しかったです。
次回作も楽しみにしてます。

pass
2021年07月31日(土)00時42分 柊木なお  作者レス
サイド様

感想をいただきありがとうございます。

丁寧に考察していただけて嬉しいです。
結局のところ、いつも同じものを書いている気がします。
孤独が根底にあって、ときに救いであったり、ときに諦めであったり。

技術論を抜きにしても、ひとりの書き手が扱えるテーマは限られているのかなと。
いやお前の引き出しが狭いだけだろと、そう言われてしまえば返す言葉もないのですが…。

今作では情景描写にフォーカスしました。
次はキャラクターや心理描写に集中しようと思っています。感情がリアルに伝わる文章が書けるようになれば、物語としての体裁も自ずと整ってくるのでは?とか、そんな甘いことを考えている次第です。

妖精は…メタ的に言えば、内心の葛藤を映像として表現するための苦肉の策ですね。なんて、例の如く後づけです。

これからも精進いたします。
ありがとうございました。それでは。


pass
2021年07月28日(水)20時07分 サイド  +30点
こんにちは、サイドです。
作品、読ませていただきました。

読み終わった後、物語のテーマを考えたんですが一言に、「渇望」だと思いました。

目的の達成、望んでいたものを得る、そういうことにあまり頓着がなく、ただ前進することに自由とこだわりを持っている少女の物語……と言った感じでしょうか。

海を目指す砂漠の少女でもよく、砂漠を目指す港町の少女でもいい。
山河を下り、海を臨むでもよく、星を目指し空を飛ぶでもいい。
共通した情熱……というより、今まで上手くいかなかった分の満たされない欲求を含めた、「渇望」の物語なのかなーとか。

それに肉付けをして出来上がった設定が、雨乞い師の不出来な娘というものなのかもですが、この物語の秀でている点は、先述した「渇望」があれば、別に、「味覚のない料理人」でも、「病気持ちの天才剣士」でもいいところでしょう。

根のテーマが定まっているので、主語(少女)を「X」とし、そこに何を入れても物語として成り立つんですね。
その上で、孤独で過酷な一人旅があったりしますが、そこの描写も緻密で分かりやすい。(仰っている解像度が高いということかと

セリフもなく物語を成り立たせるというのは、賛否というか好みの違いが出ると思いますが、個人的には好きな作風でした。
この方がヒロインの孤独感が引き立つかな、って感じですね。

気になる点としては序盤に出て来た、「理性の妖精」でしょうか。
結局、なんだったんだろうって感じで、考えれば理屈は付きそうなんですが、いきなり出て来たので世界観が分からなくなりました。

ただ、最後には救いがあり、少女はどこかへたどり着くことができたようなので、それがとても良かったと思います。

以上です。
執筆、お疲れさまでした!
7

pass
2021年07月20日(火)20時55分 柊木なお  作者レス
遅くなり申し訳ありません。
以下、個別に返信させていただきます。


。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。

表参道様

感想をいただきありがとうございます。
お褒めの言葉も励みになります。

脳みそが完全に長編モードになっていたと思います。短編や掌編にはそれに応じた書き方がありますね……。当たり前のことかもしれませんが、指摘されないと気づかないことが多いなと改めて感じます。

>まず、海辺の街についての説明が出るまで長すぎると思いました。
>旅の目的が分からないのでは、読者に伝わる苦しみが減ってしまうかなと。

なるほどです。基本的なところでした。イメージばかりに気がいって、意識ができていなかったと思います。

視点については過去にもご指摘いただいており、自分なりに気をつけてはいるのですが、どうにもまだ苦手意識が拭えません。改善できるよう努力したいと思います。

設定などについて、一応納得していただけたようでホッとしています。読者に伝えるという面では甘かったと思うので、今後は推敲の段階でより丁寧に考えるようにします。

お付き合いいただきありがとうございました。
今後も精進いたします。それでは。


。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。

Pippala様

感想をいただきありがとうございます。
過分な評価までいただき恐縮です。

描写の密度に関してもそうなのですが、自分の文体をまだ確立できていないので、単なる息抜きというよりは実験を兼ねた習作でした。意図したわけではないですが、確かに長編の頭で書いたものになっていたと思います。

どうにも内省的な文章を書きがちなので、映像になるよう意識したつもりだったのですが、改めて指摘されてみると、それでもやはり動きに乏しいように思います。場面の組み立て方の問題なのかもしれません。

海の描写の件については、一人称と三人称が混在している弊害で、これもやはり悪い癖です。言われてみれば確かにと思うのですが、書いている間はなぜか気づかず……。なんとか直そうと思います。

いつか掌編も上手く書けるようになりたいものです。
お付き合いいただきありがとうございました。
それでは。


。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。

えんがわ様

感想をいただきありがとうございます。

伝わったと言ってもらえて嬉しいです。いち書き手としてこの喜びに勝るものはありません。
掌編としては形になっていなかったと自分でも思います。枚数を意識したわけでもないのですが、どうにも畳み方が下手くそなようで……。それともラストに至るまでの繋ぎがぎこちないのでしょうか。とにかく違和感があるのはわかります。もう少し悩んでみようと思います。

ともあれ、まずは今取り組んでいる長編に集中します。
お付き合いいただきありがとうございました。
それでは。


。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。♪。+゚☆゚+。

カイト様

感想をいただきありがとうございます。
描写はそれなりに上手くいったようで安心しました。過分な評価も恐れ入ります。

結末について、カイト様の解釈も意識にはありましたが、今回はどっちつかずのつもりで書きました。こういう場なので勿体ぶらず作者の意図を晒します。

・通り雨は現実
・鐘の音は幻聴(願望)
・倒れていたのは肉体的な限界というより精神的なもの。気力を取り戻した少女は再び歩き出す

以前もどこかの返信で書いた気がするのですが、一時期バッドエンドにハマっていた時期があって、そのときであればカイト様のおっしゃる通りのエンディングで書いていたと思います(同じ人間が同じものを書いて答えが違うというのもおかしな話ですが)

「猫になった王女」も褒めていただけて嬉しいです。もちろん技術的には粗だらけで、今はもう少し成長したと思いたいですが……。作者のお気に入りでもあるので、いつかリライトしたいです。

実を言うと、私もカイト様の作品は今あるふたつとも読んでます。感想を書いていなくてすみません。
後ほどお邪魔したいと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。
それでは。

pass
2021年07月20日(火)15時58分 カイト  +40点
柊木なおさん、はじめまして。カイトと申します。作品読ませていただきました。とても好きな雰囲気だと感じました。
解像度の高い作品目指されたとのことですが、それは十分できているのではないかと思います。灼熱の砂漠を行く少女の心細い姿が目に浮かびました。

雨乞い師失格の烙印を押された(自分で押してしまった?)少女が、話に聞いた海辺の街を目指して砂漠を越えようとする。開放感と希望に満ちている反面、逃亡者然としていると感じました。最低限の旅の準備も整えていないというのも、少女が「海辺の街」と思い込んでいるもっと遠い場所を無意識に目指していたように思えてしまいます。
以下は自分の勝手な妄想で、構想と違っていたら恐縮なのですが…
ラストで少女が聞いた鐘の音、これは海辺の街の鐘なのでしょうか。砂漠で力尽きてしまった少女を迎えにきた天の鐘と言うふうに自分は受け取ってしまいました。
もちろん、だから悪いというわけではなく。掌編としてよくまとまり、バッドエンドではありますが、少女が本当に解放されたことを意味するラストだったのかなと思います。

実は以前、柊木さんの「猫になった王女」を読ませていただいたことがあり、すごく素敵な話を書かれる方だなぁと思っていました。ですので、今回新作が読めて嬉しいです。
これからも応援しております。
それでは。
9

pass
2021年07月19日(月)13時36分 えんがわ  +30点
自分はこの描写量がジャストフィットだと思います。

情景がイメージされ、渇きの中、歩き続ける砂漠が見事に伝わり。
その中で清涼剤として海辺の情景が加わり。

確かに掌編としては、オチ辺りが急展開すぎる気がしますけれど、
長編、中編として書くのなら、この情景やイメージを伝える力は、間違いなく武器になると思います。

何も過ちなどないのだ。むしろ、これをベースに長編に挑戦してほしいのだ。

なんて、わけわかんない、無責任な一言で感想を終えます。
6

pass
2021年07月18日(日)20時02分 Pippala  +40点
はじめまして。『泣かない少女は海が見える街を目指す』読ませていただきました。
良い意味でも悪い意味でも長編の冒頭的、という感じを受けました。おそらく読んだ大部分の読者がそう感じるような気もします。
掌編作品としては描写過多というのは事実だと思います。物語やキャラクターの比重に対して描写に費やしている比重が大きいからです。ですが、長編ならばこれくらいの描写があっても問題無いでしょうし、長編ならば自ずと物語やキャラの要素も増えることでしょうから、自信を持ってこの文章を継続していいと思います。
基本的に長編の息抜きとして書いた作品のようなので、それ以上の指摘事項は蛇足にしかならないのですが、掌編作品として考えると、雨と鐘の音というオチが導き出される途中の過程として、主人公がやったことが精神的葛藤だけだったのが惜しいところでした。理性の妖精とのやり合いという形で葛藤を描くのも良いアイディアですが、それだけではなく、何か一つ具体的な行動が欲しかったところです。雨乞い師の娘という設定なので、雨乞いの時の舞いの動きを朦朧とした意識の中で気付かぬうちになぞっていた、とかいった具体的な動きが欲しかったです。
それと一つ疑問に思ったのですが、この主人公の少女は状況から考えて生まれて初めて村から出る、のだと理解しています。ということは、実際には海を見たことは一度も無いんですよね。ふらりとやってきた男が語った海辺の街のイメージだけしか、想像の手がかりが無いはず。それにしては、「海」の中でも「沖」という概念をきちんと把握していたり、船の船首像など具体的にイメージを描き過ぎているようにも感じました。そのへんに関しては「幼い頃に読んだ絵本の絵が鮮やかだった」といった設定を加えればいいのかもしれません。
なので、全体としては掌編としての完成度は高いとは言えないかもしれないのですが、掌編が上手くなる必要は無いので、この作品はあくまでも長編のとっかかりという位置づけでいいはずです。
今後の執筆活動がんばってください。

7

pass
2021年07月18日(日)16時32分 表参道 LynesOLS3s +20点
こんばんは、柊木なおさん。
表参道です。

初めに、台詞を使わずに描写のみでここまで書ききるのは見事でした。
長編の冒頭と言われれば納得できるかなと。

ですが、いくつか指摘があります。
まず、海辺の街についての説明が出るまで長すぎると思いました。
旅の目的が分からないのでは、読者に伝わる苦しみが減ってしまうかなと。

ラストの鐘についてですが、伏線が一箇所あるのみです。
僕は読み返す必要がありました。もう一箇所くらい出しても良いかもです。

あと、視点については一人称と三人称が少し混ざっているような印象を受けました。

良かった点は緻密に考えて作られていること。
鐘についても伏線自体は張っているし、救いの雨も雨乞い師の娘なので説得力がある。
無謀な旅も自暴自棄な自殺願望(※これは半分くらい僕の想像だけどw)と、
考えれば説明はされていると思います。もう少し丁寧に説明されていれば文句なしかと。

最後に。
理性の妖精って書き方便利だな。
少女の迷いや不安を代弁して、役割が終わったらいったん消える。
いつか僕も真似するかもしれません(笑)。

以上です。
執筆お疲れ様でした。

9

pass
2021年07月17日(土)23時41分 柊木なお  作者レス
神原様

いつもお世話になっております。

問題はまさにそこで、物語ってなんだろう、とずっと悩んでいます。
登場人物の成長があればいいのか、起承転結があればいいのか。
誰かに教えて欲しいと思いつつ、どんな答えでも腑に落ちないだろうなという気もします。

書きたいものだけを書いたというのも、ピアノと同じというのもまさにおっしゃる通りでした。
あらためて自分の文章を客観的に見ることの難しさを痛感します。

また少し勉強し直そうと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
それでは。

pass
2021年07月17日(土)22時51分 神原  0点
こんにちは、拝読しました。

うーん、ちょっと反面教師的な物を感じました。私もどれだけ描写を入れると多すぎるのか? が見えていなかったので、こう言う作品に出合う事は幸運な事だと思いました。描写過多と言えばいいか。

以前に書かれたピアノの様なと書けば分かるかなと思います。

ちょっと様々な事を描写しすぎて、どう言う状況にあるかが読み取りにくいかな、と思われます。

簡単に書くと。

集落を後にした少女が砂漠をいく。雨ごい師の能力を受け継がなかったばっかりに。思いが浮かんでは消え。焼ける様な日差しの中、歩き続ける少女が力尽きた。そこに少女を見守っていた何かが天涙を呼び寄せた。懐かしい気配と共に。

とこれだけの情報をこの尺をもって描写し続ける。のが今作だと思われます。そこには少女が成長する訳でもなく、ただ、少女が行き倒れるまでが書かれただけで序破急の流れがある訳でもなく、書きたい物だけが書かれたと言えばいいのか? 物語になっていないと書けばいいのか? 悩みます。

評価外とするにはそこまで悪くもなく、良かったですを入れるほどでもない。と思うので、普通です、を入れて行きたいと思います。
6

pass
合計 8人 200点


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