妻の恋人
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━━どうしたらいいんだ…

後藤哲也(ごとうてつや)は、今まで感じたことのない恐怖に震えていた。冷や汗をかき指先は冷たく、目の前はチカチカする。座っているからいいものの、膝はずっと笑い続けてとても立ってはいられない。
ここは駅ビルの中にあるコーヒーショップだ。県内最大の駅だけあり夜九時をすぎても、店内は笑いさざめくカップルや学校帰りの学生で賑やかだった。そんな中、哲也の席だけが重く沈んでいる。
哲也の隣の席では、若い女が白けた顔で茶髪の毛先をいじっている。うんざりしたように口を開いた。

「ねぇ、あの女まだ来ないの? 帰って観たいテレビがあるんだけど」

──それどころじゃないだろう!
哲也は内心そう怒鳴った。

隣にいる女は、哲也の不倫相手だった。
哲也はどこにでもいる平凡な中年男だったが、半年前に会社の接待で行ったキャバクラでこの女、エリカと出会った。
エリカが自分のことを、遊び相手兼財布としか認識していないことは薄々わかっていた。それでも、女性経験の少ない哲也はエリカの甘い言葉に有頂天になり、彼女の持つ明るさや奔放さ、何より妻とは違う若い肉体に、ズブズブとのめり込んでしまったのだ。
そしてつい先ほど、二人で歓楽街のホテルから出てきたところを、妻に見られてしまった。
妻の美子(よしこ)は、驚いて目を見開いてはいたものの、取り乱したりはしなかった。むしろ笑みさえ浮かべて、「話をしたいから、落ち着けるところに行きましょう」と、二人をこのコーヒーショップに誘ったのだった。
美子は店に着くとすぐ、「ちょっと電話してくるから」と言って席を外している。

━━どうしたらいいんだ。
その言葉が哲也の頭の中でグルグルと回る。けれども何周しても、答えはさっぱり出て来なかった。
一体どうすれば正しいのか、自分自身に問いただす。
美子は妻としては申し分ない女だ。よく家庭を管理し、自分のことも十分に気遣ってくれる。もしも離婚となれば、年頃の娘達は当然美子についていくだろう。慰謝料だっていくら請求されるかわからない。そうなれば、自分は全てを失ってしまう。離婚はなんとしても避けたかった。
いっそ、自分はエリカに誘惑され、どうしようもなかったことにするか?
いや、そう主張したところで美子の心象がよくなるはずはない、むしろ責任逃れの最低男との誹りは免れないだろう。それに、エリカ一人を悪者にするのも気がひける。こんがらがった頭の中でも、それくらいの理性と良心は残っていた。

「てゆーかてっちゃん、ついてなさすぎ。あんなとこで奥さんと出くわしちゃうなんて」

頭を抱える哲也の隣で、エリカがまるで他人事のように言う。そのどこか小馬鹿にしたような響きに思わず拳を握り締めるが、ふとある疑念が哲也の頭をかすめた。
──そういえば、美子はなぜ、あんなホテル街なんかにいたのだろう。
と、その時、美子が席に戻ってきた。

「ごめんなさい、待たせちゃって」

そう言う顔はあくまで穏やかで、哲也は逆に怖ろしくなる。

「はじめまして、後藤の妻の美子と申します。いつも、主人がお世話になっているようで」

美子がにこやかに挨拶をすると、エリカは露骨に眉をひそめた。馬鹿にされていると思ったのだろう。

「お世話になってるって、意味わかって言ってんの? オバサン」
「もちろん、わかっているつもりですよ」
「へー、それでその態度ってすごいね。大人の余裕ってやつ? あ、それとももう、てっちゃんのことはどうでもいいのかな?」

エリカの挑発に表情を変えず、美子は哲也を見た。

「だから、ちょうどいいと思って」
「え?」
「私も、あなたに紹介したい人がいるのよ。もう来ると思うんだけど」

そう言うと、美子は店の入り口の方に探すような視線をやって、それから哲也が見たこともないような嬉しそうな笑みを浮かべた。

「こっちよ」

美子の手を振る先を見て、哲也は目を疑った。先ほどまでナイフのような目をしていたエリカも、ポカンとしている。

「こちらは、勅使河原昌大(てしがわらまさひろ)さん。大学時代の同級生なの」

はにかむように美子は言って、自分の右隣を手で示した。
そこには、なにもなかった。
美子はちょうど誰かが着席するのを待つかのように一呼吸置いて、呆気にとられる哲也とエリカに向き直った。

「ほら、去年、友人の葬儀に出席したじゃない? その時に、この勅使河原くんと再会してね。意外に近くに住んでるってわかって、懐かしくて何度か連絡をとるうちに、その……ねぇ?」

美子が照れたような流し目を、誰もいない右隣へ送る。
哲也は、自分があんぐりと口を開けているのに気づいていたが、その間抜け面を正すことはできなかった。エリカはワナワナと頬を引きつらせている。
そんな二人の様子に気づいているのかいないのか、美子はそのままの調子で続けた。

「私達、お互い家庭のある身だし、もう若くもないし。でも、なんだかもう、離れられなくなっちゃって。あなたには、申し訳ないと思っていたのよ? もちろん、勅使河原くんの奥さんやお子さん達にも。でも、もうどうしようもなかったの」

勅使河原。その名前に、哲也は聞き覚えがあった。
去年届いた訃報。大学の友人が、と泣き崩れていた美子。その友人の名前が、勅使河原ではなかったか。
珍しい苗字と、らしくもなく取り乱した美子の姿が相まって、記憶の片隅に残っていたのだ。

「だけど、あなたもそちらの方とお付き合いされてるんなら、おあいこよね? あぁ、なんだか肩の荷が降りた気がするわ。エリカさん、でしたっけ。夫のこと、これからもよろしくお願いしますね」

美子の言葉を遮るように、エリカはけたたましい音を立てて椅子を蹴倒し、立ち上がった。

「キッモいんだよ、ババァ!」

青ざめた顔で怒鳴ると、エリカは足音荒くその場を離れようとする。

「エ、エリちゃん…」
「触んな、お前もキモいんだよ! 二度とあたしの前に顔見せるな」

エリカは周囲の視線など物ともせず、肩を怒らせて店を出ていった。
哲也もその後を追いたかったが、目の前の光景に体が動かなかった。

「あら、まぁ」
「……ええ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
「……ふふっ、そんなこと言ったら、さすがに失礼よ」

美子が、空席に向かって小声で会話をしている。あたかもそこに恋人がいるかのような、甘い声。
あんな声、哲也はもう十年近く聞いていない。
しかし、その甘やかな声や視線を向ける先には、誰の姿もないのだ。

「よ、美子。お前……」
「ねぇ、あなた。あなただって、私の気持ちがわかるでしょう。好きな人と離れがたい、この気持ち。だから、私という妻がいても、あんな娘と同い年のような女の子とのお付き合いを続けてきたんでしょう?」
「い、いや、俺は……」

美子のまっすぐな視線に哲也は口ごもる。エリカが自分を遊び相手と見ていたように、哲也も彼女を愛しているというよりは、その若さと体に溺れていたに過ぎない。美子という妻が自分を支えてくれる安心感がなければできない、ただの遊びだった。

「だから、私のことも許してくれるわよね? 子供のことや生活のことを考えると、離婚はしないほうがお互いのためだと思うの。今の状態のまま、勅使河原くんと会うことを認めてほしいのよ」
「な、な、なにを勝手なことを」
「私、彼のことをずっと忘れられなかったの。あなたと結婚した日にこっそり泣いていたの、知らないでしょう。あなたは良い夫で良い父親だったかもしれない。夫婦の思い出もたくさんあるわ。でも、彼と再会してしまった今、それが全部色褪せて感じるのよ」

美子は熱に浮かされたような瞳で熱く語った。哲也は、こんな美子の姿を見たことがなかった。
思わずほだされそうになって、哲也は頭を強く振る。

「お、お前の隣には、誰もいないじゃないか! 勅使河原とかいう奴は、もう死んだんじゃないのか? お前は葬式に行って泣いていたじゃないか!」

美子は、キョトンとした顔をして首を傾げた。

「なにを言ってるの、あなた。勅使河原くんは、ここにいるじゃない。ねぇ?」

哲也は強く目をこする。それでもやはり、勅使河原という男の姿は見えない。
当初とは違う恐怖で、哲也の体は震えていた。

「あなた、認めたくないのはわかるけど…」

美子が、どこか憐れむような視線を送ってくる。
━━俺か? おかしいのは俺なのか?
哲也は頭を抱えた。
自分の目と頭がおかしいのか、それともおかしいのは美子の方か。
美子には、一体なにが見えているのだろう。死んだはずの恋人が、彼女の隣には寄り添っているのだろうか。それとも、すべては妄想か?
いっそ、自分への当て付けの一芝居だったら、どんなに救われるだろう。
━━俺はこれから、どうすればいいんだ?
幽霊を恋人だとのたまう、あるいは精神を病んで妄想の中で恋愛をする女を妻として、これからの数十年を生きていかなければならないのか。

助けを求めて窓の外に目をやっても、そこを歩くのは家路を急ぐ人ばかり。今の哲也の目には皆が皆、悩みなく満ち足りているように見えた。
絶望感に包まれる哲也の前で、美子はやはり、彼には見えない相手と微笑みあっていた。
カイト 

2021年06月24日(木)11時27分 公開
■この作品の著作権はカイトさんにあります。無断転載は禁止です。

■作者からのメッセージ
はじめまして、カイトと申します。
今立てているプロットが煮詰まってきたので、気分転換に以前書いたものを少し手直ししてみました。
お目汚しですが、読んでいただけると嬉しいです。


この作品の感想をお寄せください。

2021年07月24日(土)22時32分 カイト  作者レス
柊木なおさん、こんにちは。こちらにもコメントいただきありがとうございます。

「奇妙な味」というのは嬉しい感想です。「世にも奇妙な物語」にありそうな話、を意識しました。『理性を保ちながら非現実に傾いていく』、そんな話が書きたかったんだなと、いただいたコメントを見て改めて思いました。
夫の反応については、正直自分としては思いがけない意見だったのですが、おかげで新たな視点を得られた気がします。よく作品を読み直して改善してみます。

「普通」だと思っていた自分が、気づかないうちに普通からはみ出してしまっていた……そんなラストもいいですね。
お読みくださりありがとうございました。

pass
2021年07月23日(金)15時03分 柊木なお  +20点
執筆お疲れ様です。

ジャンルとしては「奇妙な味」に近いでしょうか。
小説以外ではなかなか出せない後味なのではないかと思います。
怪奇小説ばりばりの文体ではなく、理性を保ちながら非現実に傾いていくのも自分にとっては新鮮でした。

ストーリー進行にも滞りがなく、他の方が仰っているとおり、中編や長編もきっちり仕上げられる方なのだろうなという印象を持ちます。

物語の解釈について。
自分は素直に「美子には勅使河原が視えていて、哲也には見えていない」と受け取りました。
ですが、精神病や狂言という現実的な解釈も成り立ちますね。
その立場からすると確かに「哲也が美子ではなく自分の頭を疑う」ことの説得力には欠けるように感じます。

あえて無数の解釈を残すのもありだとは思います。
が、現実を踏み外したことが明らかなオチのほうが個人的には好みかもしれません。

途方にくれた哲也はふと違和感に気づく。
あれだけ大声で言い争っていたというのに、店内の人々は彼に目をくれる様子もない。
好奇の視線はもっぱら彼の妻と、その隣にいる何者かに向けられていた。
まるでそこに妻の夫など存在しないかのように……。

みたいな。怪奇小説ファンの妄想ですが。

様々な解釈が成り立つ作品だけに、あえて個人の嗜好で書かせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。それでは。
4

pass
2021年07月10日(土)16時44分 カイト  作者レス
BBさん、初めまして。読んでいただきありがとうございます。
過分なお褒めと点数を頂いてしまい恐縮ですが、とってもとっても嬉しいです!

複数の解釈ができる、と自分でも思っていましたが、まとめてみるとこんなにあるんですね。まだあるかもしれません。楽しんで読んでもらい、作者冥利に尽きます。
哲也の反応についても、フォローありがとうございます。賛同いただけてホッとしました(笑

今回の作品で、「読み手一人一人に物語が生きる」ことを再確認しました。その意味で、とても貴重な作品になったなと思います。
そのことに気づかせてくれてありがとうございました。

pass
2021年07月10日(土)02時40分 BB  +50点
拝読しました。
とても面白かったです。複数の解釈ができるところが素晴らしいです。

1:妻の頭がおかしくなっていて、存在しない勅使川原に話しかけている。
2:夫の浮気を諫める為、狂言を演じている。
3:勅使川原は幽霊で、妻にしか見えていない。もしくは夫にだけ見えていない。
4:夫の頭がおかしくなっていて、彼にだけ勅使川原が見えていない。

この四つの解釈。と思っていたのですが

5:他の男と浮気していた妻が、誤魔化すために狂言を演じている。

という説が出てきました。私にはない発想です。
とても参考になりました。

夫の浮気相手のエリカが、勅使川原に言及することなく早々に退場したことで、「夫にだけ見えていない」という可能性を残したのが秀逸です。
うまい仕掛けだと感心しました。

問題になっている夫の反応ですが、個人的な意見としては、自分がおかしくなったと考えるのは、ごく自然なことだと思います。
これは冤罪を生む一因にもなっていますね。
取り調べで執拗に責め立てられ、やってもいない犯罪をやったと思い込まされる。
その心理と同じじゃないでしょうか。
むしろ、自分を疑うというのは、正常な判断ができてい証拠でしょう。
そうすると4の可能性が低くなるという、逆説的な結論になってしまいますが。

良質な掌編ホラー、読みごたえがありました。
8

pass
2021年07月08日(木)21時06分 カイト 
えんがわさん、こんにちは。読んでいただきありがとうございます。
色んな感情をミックスした結果わかりづらさも生じさせてしまいましたが、「そこがいい」と言っていただける方に読んでいただけて本当に嬉しいです。

中・長編が得意なのでは、とのことですが、全然そんなことはなくて……いまものすごく久しぶりに長編に取り組んでいるところです。難しいです(笑
でも、もっと読みたいと言ってもらえて光栄です!
読んでくださりありがとうございました。
5

pass
2021年07月08日(木)13時15分 カイト  0点
如月千怜さん、こんにちは。わざわざ読んでくださりありがとうございます。

━━俺か? おかしいのは俺なのか?
この一文に違和感を覚えられた、ということですよね。
目の前で信じ難い光景が繰り広げられたとき、一瞬でも自分自身を疑うのはありかな、と思いつつ、ご指摘を受けて作品を読み直してみました。
自分はこの作品で「美子が狂ってしまった恐怖」よりも「(哲也が)今まで信じてきたものが根底から崩れていく恐怖」を描きたかったようです。自分を疑うあのシーンはその一端だったわけですが、筆力不足でテーマを表現しきれず、セリフだけが浮いてしまったのだと思います。
如月さんのご指摘のおかげで、作品をじっくり見直すことができました。感謝です。

それと浮気相手のエリカについてですが、彼女は「堅実な妻と対をなし、哲也の後悔をより煽るための存在」として設定しました。なので、「若い体以外に魅力のない女」と読み取っていただけたらなら御の字です。
エリカの存在理由が上記のもので、そもそも浮気がテーマの話ではないので、浮気相手を魅力的に描く意味はないかなと思います。

読んでいただきありがとうございました。
6

pass
2021年07月07日(水)10時24分 えんがわ  +30点
解釈スキーな自分には好物の作品でした。

妻が正気を失っているのか、本当に霊なんているのか。

わからないのが、面白いですよねん。


読後感はもやもやとしたのですけれど、それは主人公の抱える絶望のような、ともすれば不安いっぱいで、この先どこへも行けないような悲しさのような。

色んな感情がMIXされて、これはこれで良いなと思いました。


ただ、カイトさんはたぶん、中編、長編を得意とする方で、今回の掌編、実は削った部分とかあったんじゃない? もうちょっと読んでみたい気がしながら、でも10枚ギリギリで。

文章はスムーズでとても読みやすかったです。
難しい題材でしょうが、すっと感情が入ってきました。
10

pass
2021年07月06日(火)15時35分 如月千怜  -10点
どうも如月千怜です。感想を書きます。

個人的には神原様の言う通り、主人公が自分をおかしいと疑うところがひっかかります。
それに行きつくのは無理がある、という前提を無視しても妻より先に自分の正気を疑うのはすごく違和感があります。
余計な一文だったのではないかなと思います。

他に気になるところとしては主人公の浮気相手にあまり魅力を感じませんでしたね。
浮気したくなる気持ちがわかるような設定が若い体以外何一つ見いだせず、主人公自身すらいいように利用されているとわかって関係を続けているのは、主人公のことが逆にすごいなと思いました。
個人的に浮気を取り扱う作品ではウェイトを重くした方がいい要素の一つだと思うので、どうも……

確かに妻が正気を失うシーン(と私は解釈しました)を見せ場にしたいなら、先述の浮気相手の魅力うんぬんは薄くても問題ないかもしれません。
ただこれを見送ってまで描きたかった表現に先述の重大な違和感があるというのは、明らかに作品の質を落とす欠陥だと思います。
6

pass
2021年07月06日(火)12時25分 カイト  0点
表参道さん、はじめまして。読んでいただきありがとうございます。
読んだ方の不意をつけたようで、書き手としてはとても嬉しいです。

ご指摘いただいた通り、いわゆる修羅場がおとなしすぎましたね。コメントを読んで、「逆上したエリカと美子が取っ組み合いになり、警察を呼ばれる。交番でも美子の態度は変わらず、哲也は警官から同情の目で見られる」というラストも良かったなと思いました。

美子がホテル街にいたのは、「勅使河原との逢瀬の帰り」という設定でした。電話は、別れた勅使河原を呼び戻すためにかけています。あくまで美子の視点(主張)では。
これを客観的に見た時にどうなるか。例えば着信履歴に意味不明な番号が載っていて、それにかけた哲也が戦慄する、というオチでもよかったかもしれません。
とてもよいご指摘の数々ありがとうございます。次に活かしていこうと思います。
7

pass
2021年07月06日(火)01時50分 表参道 LynesOLS3s +20点
こんばんは、カイトさん。
表参道です。

>はにかむように美子は言って、自分の右隣を手で示した。
>そこには、なにもなかった。

 ⇒このシーンは素晴らしいと思いました。
  不倫関係のドロドロが始まると予想しているところへの、完全な不意打ちでした。

この後の哲也、エリカのリアクションまでは完璧だったと思います。
掌編ホラーとしては理想形ですね。こういう展開を書けるようになりたいです。

ただ、ここから先がもったいないという印象です。

夫と不倫相手と病んだ妻。
この三人が揃った状態から事件が何も起こらずに終わってしまったのは、個人的にもったいなく思いました。
美子には何か問題を起こしてほしかった(ひどい)です。

最後に。
>──そういえば、美子はなぜ、あんなホテル街なんかにいたのだろう。

 ⇒確かにこの一文面白いな。
  僕なら勅使河原(妄想)と分かれた後だったと解釈するかな。
  電話を掛けるという矛盾を美子がどう認識しているか、とか気になってきますね。

以上です。
執筆お疲れ様でした。

6

pass
2021年07月05日(月)21時57分 カイト 
サイドさん、こんにちは。読んでいただきありがとうございます。

「後味が悪い」、ですか。それも狙っていたので、嬉しい感想です。
それと、「勅使河原云々は、美子が自分の不貞を隠すための狂言」というのは、なかなか面白い視点だと思いました。やはり、色んな方に感想をいただけるのは嬉しいですね。
自分としては、牡丹灯籠のように「美子は勅使河原の幽霊に取り憑かれている」という想定では書いています。それを明確にしないことで「よくわからない恐怖」も演出できるかなぁとの目論見でした。恐怖の演出がうまくいったかどうかはさておき、読んだ方それぞれに物語が感じられたというのは作者冥利に尽きるというものです。
ありがとうございました。
6

pass
2021年07月04日(日)19時15分 サイド  +10点
こんにちは、サイドです。
作品、読ませていただきました。

最初読んだ時は単純に、「うーん、後味が悪い」だったんですが、他の方の感想を読み、何より気になっていた

「──そういえば、美子はなぜ、あんなホテル街なんかにいたのだろう」

の部分を考えて、腑に落ちる部分がありました。

完全に僕の勝手な解釈ですが、

「美子は勅使河原ではない男性と不倫関係にあった。
被害者という有利な立ち位置となれたので、勅使河原という男が見える狂人を演じることで、まず自分へ疑いの目を向けられるのを回避。
婚姻関係を続けられるなら、ラッキー。離婚して慰謝料を貰えても、ラッキー。夫には愛想も尽きてたし」
みたいな感じでしょうか。

自分でも相当、真っ黒の発想だとも思いますが、これはこれとして成り立ち、本当に狂人であっても、話が成り立つので、上手くできてるなーと印象が変わったりしました。
この一連の出来事って、美子の視点で見たら全く別のもののような気がして、それはそれで怖い話ですね。

以上、ほとんど僕の妄想みたいな解釈ですが、こんな感じ方をする奴もいるていどに受け取って頂ければ幸いです。
執筆、お疲れ様でした!
9

pass
2021年06月28日(月)13時16分 カイト  作者レス
ワタリヅキさん、はじめまして。読んでいただき感想もありがとうございます。
過分なお褒めをいただき恐縮です。でも、とっても嬉しい!
他の作品も読んでみたいと言っていただき、本当に感謝です。遅筆なものでなかなかお目にかけられるほどのものがないのですが、またこちらに投稿した際はよろしくお願いいたします。

pass
2021年06月27日(日)09時45分 ワタリヅキ  +20点
こんにちは、ワタリヅキです。
作品、素直に楽しかったです。場面の描き方が上手で無駄がなく、すらすらと読むことが出来ました。なかなかそういう作品ってなかなかないと思います。
後半の展開も、先が気になる展開でよかったです。
最後も主人公の絶望が伝わってきて、読んでいてぞっとしました。心情描写も申し分ないですね。

カイトさんのこれからの作品も読んでみたいと思いました。
お互い頑張りましょう!
9

pass
2021年06月25日(金)20時29分 カイト  作者レス
金木犀さん
はじめまして、読んでいただきありがとうございます。

ひとまず、ホラーとして一応の形は成しているようでホッとしています。心理描写、特に美子の言動を褒めていただき嬉しいです。

美子の異常な言動についてその背景や経緯を、とのご意見ありがとうございます。確かにその通りですね。
ですが、今回の話で自分としてはその原因を明確には定めていません。
金木犀さんが仰るように、統合失調症をはじめとした病気の可能性が一番リアルですが、ホラーなので元恋人の幽霊に取り憑かれている、という解釈でもいいと思うし、実は全然おかしくなっていなくて夫への復讐のために奇行を演じている、でもいいと思っています。エリカが見た「勅使河原」が、哲也が見たものと全然違ってもいいのです(ゾンビとか)。
そういうわけですので、経緯を書かなかったのは意図的、と思っていただけるとありがたいです。
読んでいただきありがとうございました。

pass
2021年06月25日(金)06時58分 金木犀 gGaqjBJ1LM +10点
 こんにちは、拝読させていただきました。


 まず、良質なホラーで、タイトルもちゃんとした意味が込められているのがわかり、ちゃんと考えて書かれている作品、という印象でした。

 不倫をした主人公の気持ちや、巻き込まれた不倫相手の性格、妻の普段の立ち居振る舞いからは考えられない言動。そうした心理描写がきめ細かく書かれていたと思います。

 美子さんは、普通に考えれば昔で言う「精神分裂症」今で言う「統合失調症」の気があるな、と思いました。ただ精神的なものって、結局は自己申告だったりする部分があるので、見えない心の部分を診断する以上、実際は色々な違いがあります。本人次第、本人の心次第な部分もあるのですが、美子さんはどちらなのかな、と考えました。強い幻覚症状があるので、おそらくは前者なんでしょうね。

 勅使河原さんを恋人だと思ったきっかけは、もしかしたら、この哲也さんの不倫がきっかけだったのかもしれないですね。それほどショックだったから、それをきっかけにして発露になったのか、もしくは、前からそういう症状があったのか。統合失調症になるきっかけというのは人それぞれ違うので、そこらへんの描写も詳しく書いていただきたかったです。

 なんにしても「修羅場になると思いきや、妻の錯乱した姿を見せられて恐怖する」、そんなあらすじだったと思います。シンプルなストーリーラインで、掌編らしい作品になっていたと思います。

 執筆お疲れさまでした。

9

pass
2021年06月24日(木)22時28分 カイト  作者レス
こんにちは、神原さん。前回に引き続き読んでいただきありがとうございます。

この話は「怖い話」として書きました。明確な怪異もわかりやすい人間的怖さも出てきませんが、「こんなことがあったら嫌だな〜」を書いてみました。恐怖が伝わらなかったのは自分の力量不足ですね。
ただ一つ小さく反論させていただきたいのは、神原さんも仰るように「人が見えなくなることはほぼほぼない」ということ。「絶対ない」ではないのですよね。
ある日突然、特定の人だけが見えなくなってしまう。あるいは、見えるようになってしまう。よく知られた病気では認知症に同じような症状がみられますが、そうした時はまずは周りを、それから自分のことも疑うのではないでしょうか。そうなったら、怖いと思いませんか?

それから、一字下げや行間の件のご指摘もありがとうございます。一字下げはやったつもりだったんですが反映されてなくて…読みづらくてすみません。
ご批評ありがとうございました

pass
2021年06月24日(木)13時20分 神原  0点
こんにちは、拝読しました。

うーん。どう書けばいいのか? まず一通り見終わっておもったのが↓

≫━━俺か? おかしいのは俺なのか?≪

こう主人公が思うだろうか? と言う事。人が見えないと言う事はほぼほぼない事象なので、おかしいのは妻だと普通は思うのではないでしょうか?

あ、そうそう、行頭1字字下げをしましょう。後ここは携帯小説とかのサイトではないので過度な空行は要りません。場面転換の時、視点変更の時などに空行を使った方が良いです。

で、ですが、普通と言う感想しか浮かびませんでした。

頭がおかしくなった妻がいて、主人公の悩みが慰謝料離婚から妻の事に変わっただけです。読んでいてすっきりする事もなく、楽しい訳でもなく、うーん……。と、なりました。

以上から私は普通です。を置いていきたいと思います。
13

pass
合計 9人 150点


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