![]() |
こちらでは、どう感想を書いて良いのかわからない方のためのテンプレートを掲載しています。
ご自由にご利用ください。外部からのリンクもフリーです。 注意 感想に絶対に正しい書き方、などというものはありません。 基本的に、ご自分の思ったことを、礼儀正しい口調で伝えれば良いだけです。 こうしなければならない、などとは思わず、あくまで参考程度にとどめていてください。 *架空の作品を想定して感想内容を書いています。 匿名希望さんからの情報提供 ■ 1・自由記述型 (記載例) 作者様、こんにちは。○○と申します。 作品を拝読しましたので、以下思った事などをつらつらと書き記していきますね。 読んでいてニヤニヤしてしまうほどの青春物語ですね。一人称で綴られた文章が本当にお上手で、読みやすく、そして主人公に感情移入できました。初めは自己中すぎる主人公の事が好きになれませんでしたが、事件を切っ掛けに、彼がヒロインを助けようと一生懸命頑張る姿を見ていて、段々「自分もこんな風になれたらなぁ」と思えるようになりました。あと、ヒロインの「そっ、そんなこと急に言わないでよ……」という台詞には本気で萌えました(←馬鹿) その一方、展開がちょっと王道すぎるかな、と。この手の作品は巷に溢れているので、何かしら読者をあっと言わせる要素が欲しいところです。 最初から最後まで楽しく読めました。確かな実力をお持ちだと思いますので、今後も良作を書き続けていって下さい。応援しています。 それでは、またご縁がありましたら。 〈解説〉 感想初心者から上級者まで幅広く見られるタイプ。 読書感想文に似ているので、比較的書きやすいと思います。 また、純粋な読者目線での感想なので、プロ志向の方にとっては商業作品を読んだ読者の反応を見ているような感覚になれるかもしれませんね。 このタイプのデメリットは、いわゆる「三行感想」になりやすい事です。 単に「面白かった」「つまらなかった」という感想に留まってしまう場合があります。 そうならない為には、 「どうして面白かった(つまらなかった)のか」「どこが良かった(悪かった)のか」 というように、もう一歩踏み込んで理由付けする事がポイントです。 できるだけ多くの理由付けをすれば、その分だけ感想に厚みが増します。 ■ 2・整理型 (記載例) 作者様、こんばんは。先日は私の作品に感想ありがとうございました。 お返しと言っては何ですが、作品を読ませていただきましたので感想をば。 ◆良かったところ 世界観が素晴らしいですね。私は普段異世界ファンタジーを読まない人なのですが、この作品は作者様が創った世界を不足なく読者に示せていると思います。街並みや人々の描写が細かくて、文章を読んでいるだけで情景が鮮やかに浮かびました。あと、レジスタンスグループの組織図が細かいところまで考えられていたので、ディテールにこだわる私としては満足です。 キャラクターのバックボーンについても、しっかり考えていらっしゃるようで好印象。総じて、人間味のあるキャラクターが描けていたと思います。 ◆悪かったところ 描写が細かいので世界観の提示はお見事といったところですが、その反面、細かすぎてストーリーの進行がちょっと遅くなっているように感じました。その為かテンポも悪く、起承転結の「承」のパート(主人公が街を歩いているシーンです)が冗長な印象です。 クライマックスはご都合主義に流れてしまった感があり、読んでいて「それってアリなの?」と思ってしまったところがちらほらと。前半に伏線が用意されていれば、もう少し印象が違っていたと思います。 文章は読みやすく、描写や人物造形も良かったです。しかし、構成についてはちょっと難ありといったところでしょうか。 全体的には良い出来だと思います。キャラクターも魅力的だったので、感情移入できました。あとは山場へ向けて着々と伏線を積み上げ、無理のないストーリー展開が出来ていればもっといい作品になると思います。 さて、思った事を書き連ねてみましたが、あとは作者様にとって必要な部分だけ今後の糧としていただければ幸いです。 それでは、次回作を楽しみにしています。 〈解説〉 作品の長所と短所を整理してあるタイプ。 指摘する点を箇条書きにしてあるタイプも見掛けます。 作者にとって、今後自分が伸ばすべき要素と改善すべき要素がわかりやすく整理してあるので、 鍛錬には向いていると思います。 このタイプのデメリットは特にありません。 強いて挙げるなら、「良かったところ」と「悪かったところ」を書く順番でしょうか。 「褒めておいて、後で落とす」と解釈されないよう、「悪かったところ」を先に書く方もいらっしゃいます。 また、「悪かったところ」と書かずに「指摘点」「?なところ」といったように、 作者の感情に配慮した書き方をしている人も。 こういう細やかな気遣いは有り難いですね(笑) ■ 3・リアルタイム型 (記載例) ○○さん、初めまして。 作品を拝読しましたので、感想を述べさせて頂きます。なお、メモを取りながら読みましたので、以下に書き記していきます。 >この世界はパンツで出来ている、異論は認めない。 ◆ちょww いきなりですかっ!? 冒頭の掴みが凄まじいですね。一気に引き込まれました。 >「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……」 ◆死亡フラグですね、わかります。 >それきり、彼は帰ってこなかった。 ◆あ、やっぱり……。 >更衣室のドアを開けると、そこには純白の下着だけを纏った少女がいた。 >彼女は一瞬何が起こったのか理解していないようだったが、途端に顔をリンゴのように染め、こう叫んだ。 >「失せろ、変態ッ!」 >直後、俺の顔面に彼女の拳がめり込む。うん、なかなかいいパンツ……じゃなくてパンチだ。 ◆更衣室のドアを開けたら着替え中のヒロインと遭遇。「お約束来たー!」という感じです。 ていうか、こんな状況でもまずパンツに注目する主人公ってどうなのよ……(汗) (中略) >――そんな事は、俺が許さない。 ◆主人公の熱い想い。今まで変態だと思っていた彼が格好よく思えてきました。 >ドギャァアアアッ!! ◆うーん……クライマックスで擬音を使いますか。個人的にはあまりこういった表現は好きじゃないです。 >この世には、パンツよりも大切なものがある。 >それは―― > >パンツを穿いた彼女だ。 ◆自分にとって最も大切なものに気付いた主人公。うん、これでいい……わけあるかぁぁぁっ! 最後の最後まで変態を貫いた主人公には完敗です。 読了しました。 もうとにかく、「主人公どうにかして!」というのが率直な感想です(笑) 本作はアクションコメディという事ですが、所々に出てくるギャグのセンスが秀逸でした。読んでいるうちに何度噴き出したことか。そのセンスを分けて下さい。 ハイテンションで進む物語は勢いが凄まじく、またラストバトルの迫力も◎。総じてレベルの高い作品だと思いました。 読む人によって好みが分かれる作風だと思いますが、個人的にはこういうバカっぽいのが大好きです。面白かったー。 色々と細かい指摘をしましたが、楽しい作品でした。今後の活躍に大きな期待を寄せたいと思います。 ではでは。 〈解説〉 作品の部分部分を抜粋し、それらについて読者が思った事を併記するタイプ。 1の自由記述型に比べて、読者の細やかなリアクションが見られるので文単位で読者の反応を気にしながら書いている作者にとっては有り難い書き方です。また、最後に総括が書かれるので、自由記述型の様式も兼ねていますね。 このタイプのデメリットは、「読む→メモを取る→メモを取った部分についてコメントする→再び読む」という作業を繰り返さないといけないので、読む側に集中力が求められる事です。 あと、感想が完成するまでに時間がかかります(特に長編)。 つまり、読者の負担が大きいという事ですね。 けれどその分、感想を貰った側(=作者)にとっては物凄く嬉しい書き方だと思います。 ■ 4・アルタイム型(変形) 記載例は省きます。 気になった文を抜粋するのではなく、気になった場面ごとにコメントを書いた後、総括を書くタイプです。 細かいメモを取らなくて済む分、3のリアルタイム型に比べて時間を短縮できるのが強みですね。 ■ 5・項目別型 (記載例) ○○さん、こんにちは。 本作は軍事ものという事で、ミリオタもどき(?)として見逃すわけにはいきませんでした。読了しましたので、足跡代わりに感想など残していきたいと思います。 【文章】 作風に合った、硬めの三人称でした。 所々に視点の変動が見られ、誰を主軸に置いて読めばいいのかよくわかりません。どうにも一文一文が長く、テンポが悪いです。ちょっと読みにくかったですね。 また、誤字が多いのもマイナスです。その為、推敲をきちんとしていない印象です。公募作品であるならなおのこと、細かい部分まで見直しておいたほうがいいと思います。 【設定】 舞台は近未来の日本でしょうか。なるほど、憲法9条が改正され、日本に軍隊ができたという設定なのですね。現実的に有り得るかどうかは別にして、憲法9条が改正された経緯について細かいところまで考えられていたので説得力がありました。 とはいえ、さすがに中学を卒業したばかりの子が軍隊に入れるという設定はいかがなものでしょうか。しかも公な部隊に。本作を読む限りでは日本がそれほど切迫した状況でもなく、子供を戦地へ送る必然性が見られません。現代の中近東では10代前半の子供がゲリラ部隊に入る事もありますが、それは子供も戦争に参加させないと兵力が足りないという状況があっての事。この作品では単に「少子高齢化が原因」と書かれているだけで、それ以外の理由が用意されていません。それなら、日米関係の強化が先決だと国の上層部は考えそうなものです。 【キャラクター】 一番印象に残ったのは山本軍曹です。親元から離れた主人公の父親代わりとして、厳しくも優しく接するところが好印象でした。こういう大人の男性は魅力的ですね。 一方、ヒロインですが、彼女に関してはテンプレート気味な感じがしました。「無表情な少女」というのはこれまでの小説やアニメ、漫画などで多く扱われているものです。彼女が主人公と心を通わせるところはいいのですが、どうにも「どこかで見たような感じ」という印象は否めません。あと、彼女が最後に死ぬ必要はあったのか疑問なところです。 【構成・内容】 終始シリアスに進むストーリー。構成に関しては冒頭の引きが弱いような気がしました。日本軍ができた経緯について説明する文章が初めから長めに書かれていたので、最初の戦闘シーンに入るまでは退屈な印象です。 豊富な軍事知識を生かした戦闘シーンはリアルでよかったです。あくまでリアリティを追及する作者様の姿勢は素晴らしいと思います。 しかしながら、あまりにもリアル過ぎてクライマックスの盛り上がりに欠けたかな、と。小説と現実世界は違うのですから、もう少し華やかな演出を心がけてもいいと思います(←「ディテールのツッコミを避けたかったのかな」とも思いましたが)。 そしてラストシーン。【キャラクター】の項目でも触れましたが、ヒロイン死ななくてもよかったのに……と思えてなりません。あの場面では「誰かが犠牲になれば国を守れる」という状況だったのですから、どうせなら、山本軍曹が若い二人に未来を託して散っていくほうが感動できたように思えます。とはいっても、これは完全に自分の好みなのですが(汗) 【総括】 重厚な雰囲気がばっちり出ていて良かったです。しかしその反面、読みにくい文章(多分、作者様は三人称神視点を意識していらしたと思うのですが)のせいで、キャラクターに感情移入できませんでした。それと、演出面においても、もう少し華やかさが欲しいところです。 本作は公募作品ということでしたね。締め切りまではまだ時間がありますので、ご自分が納得できるまで推敲なり改稿なりを続けて下さい。まだまだ良くなる余地はあると思いますので。また、ここで述べた事はあくまで私個人の意見です。あとは作者様のほうで取捨選択願います。 長くなりましたが、そろそろこの辺りで失礼します。今後も執筆頑張って下さいね。 〈解説〉 公募の評価シートで見られるようなタイプ。 上記に加えて【タイトル】の項目を加えている方もいらっしゃいますね。 このタイプは項目別に評価されているので、 作者が自分の長所・短所をより細かく把握できる書き方です。 デメリットは、読者(感想人)が作品を読みながら、項目別に評価していかなければならない事です。 特に【文章】と【設定】は描写面で密接に関わってきますし、【文章】、【キャラクター】、【内容】は描写によって「読者がどこまで感情移入できたか」に依るところが大きいので、線引きが難しいです。あと、リアルタイム型ほどではありませんが、感想を完成させるのにある程度時間もかかります。 逆に、評価シートに近いものがあるので、 作者が自分の作品を客観的に見直す上では有り難い感想です。 また、自分が書き手になった時にも細かく自己分析する能力が身に付きそうですね。 ■ 6・リアルタイム・項目別複合型 (記載例) 作者様、こんばんは。御作を拝読しましたので感想を投稿させて頂きます。 >それは、鮮やかな紅だった。 ◆最初の一文。色彩感覚を使った表現は個人的に好きです。 (中略) >そして、私は今日も人を殺す。 ◆なんともダークな終わり方。作品の方向性が最後までぶれていませんでしたね。 ――はい、読了しました。個別項目は下記の通りです。 【文章・文体】 (略) 【世界観・設定】 (略) 【キャラクター】 (略) 【構成・内容】 (略) 【最後に(総括)】 (略) 感想は以上です。 今後ともお互いに頑張って、よりよい作品を創っていきましょう! 〈解説〉 3のリアルタイム型を初めに書いておいて、その後に4の項目別型を書くタイプ。 メリットについては、リアルタイム型と項目別型の良いとこ取りです。 その一方、デメリットについては3リアルタイム型と4項目別型の悪いとこ取りですね。 とにかく、文字数と所用時間が半端ないです。根気のある方は是非挑戦してみて下さい。 ■ 感想を書く上でのポイント 1・最初にあいさつを入れましょう。 あいさつがないと失礼な人だと受け取られかねません。 例: こんにちは。○○といいます。 〜〜さんの作品を読みましたので、感想を書いてみました。 2・正直な感想を書いていただくのが、一番です。思ってもいないお世辞を言う必要はありません。 ただ、言葉使いには気をつけましょう。乱暴な言葉、きつい言葉は中傷と取られかねません。 3・自分ならではのツボが誰しもあるはずです。それを伝えてあげると喜ばれます。 例 主人公とヒロインの掛け合いは最高でした。 4・作品内容で、わからないこと、理解できないことがあった場合には、 自分の読解力が低いせいなどとは思わず、正直に打ち明けましょう。 例 オチがよく分かりませんでした。 それからあの伏線はどうなったのでしょう? 5・過去に自作に感想をくれた人に対しては、積極的に感想返しをしましょう。 こうすることによって、またあの人に感想を書いてあげよう、という気持ちが生まれます。 親切は自分に返ってきます。 6・誤字を指摘する場合、辞書を引いて調べてからすると良いです。 まれに作者の文章の方が合っていて感想人の指摘の方が間違っているケースを見かけます。 ●小説感想テンプレートの改良・作成にご協力していただける方、募集します。 感想を書く上でのコツ、このような感想が喜ばれる、感想テンプレートの型などの意見を送っていただける方は、こちらのメールフォームよりお願いします。 ライトノベル作法研究所へ 掌編の間へ 短編の間へ 長編の間へ |
![]() |